勉強や仕事を飽きさせない
今回のテーマである課題のレベル合わせというのは、たとえば「何かを学ぼうと思って本を買うときにどんな本を選んだら良いのか」といったことだったり「目標を決めるときに何を参考にしたら良いのか」といったことです。
目標だったり課題のレベルを設定する基準は、実際に何かしらの行動をやってみなければ判断がつきにくいのですね。
最初はとにかく行動する作戦
ドーパミンというのは繰り返し練習することで新たな神経回路がつくられ分泌されると以前の話で説明しました。
たしかに学ぶことが多い初期の段階では、「やりたくないこと」でもやり続ければ頭が慣れてきたり知らないことを知る喜びなどで集中できるようになります。
しかし!それも「途中までは」です。
つまり最初の頃は一生懸命作業をやり続けて神経回路を接続し、ドーパミンが分泌されるようになったことで作業に没頭したり興味がわいてきて好きになれるのですが、これが完全に慣れてきてしまうと、今度は私たちの脳みそは作業に飽きてきてしまうのです。
仕事や勉強に飽きてしまう心理的な理由
この「飽き」、カップルでいうところの「倦怠期」のようなものを防ぐためには、そのメカニズムを知っておくことが役立ちます。飽きてしまう原因さえ知っておけば事前に対応できますからね。
私たちが飽きるのはどんなときか、それは、ある課題に対しての「答え」が完全にわかりきってしまっているときです。
試しに少し想像してみると共感できると思うのですが、簡単すぎる問題を解いたり単調すぎる作業をするのは退屈ですよね。
簡単すぎる、困難すぎる課題は NG
たとえば、大人になったわたしたちがもう一度数学の勉強をしようと思ったとします。
そのときに、1+1=の問題を解いたり1+2=の問題を順番に解いていこうとはしませんし、そんなことをしたら退屈すぎて勉強が嫌になります。
また逆に、宇宙物理学の方程式だとか、四次元空間の歪みがどうたらかんたらだとか、ノーベル賞級の問題を解こうとしても手も足も出ずにこれまた勉強が嫌になります。
つまり、私たちが何かを学習するときには、私たちそれぞれが現在持っている能力に合わせて最適化されたレベルの課題が必要であるということです。簡単に言うと、易しすぎずに難しすぎない課題ということですね。
そこでこの基準を見つけるための方法を次に紹介します。
課題のレベルを自由に変えるテクニック
目標や課題の基準を見つけるためには、現在に一番近い過去の自分がこなしてきた課題のレベルを参考にして、少しずつ難しくしていきます。
たとえば、制限時間を設けてみる、課題の量を増やす、未知の分野に挑戦する、といったように自分でコントロールできる物事の範囲の中で難易度を上げていきます。
そうしてできるかどうか自分でもわからないことに全力でぶつかって課題と対峙することで、脳内ホルモンが出てきて私たちは集中できるようになるのです。
仕事や勉強が好きな人の心理
このときに苦労をすればするほど課題をこなしたときの喜びも比例して大きくなります。
この「苦しければ苦しいほど楽しい」という感覚を覚えることができれば成長するのが楽しくなって、私たちは自分からどんどん成長していくようになります。
そして多くの場合、自分できるかどうかわからない難しさのレベルの課題を見つけられるのは自分だけです。
自分のレベルをきちんと把握しよう
もちろん、スポーツ選手のようにコーチやトレーナーがそばにいて、あなたの課題を設定してくれたり最適なレベルの課題を見つけてきてくれることもあります。
しかし、それはごく限られた状況であり、いつも彼らがあなたのそばにいるわけではありません。
そのために人は自分自身で自分のレベルに合わせた最適な課題を設定できなければ成長が止まってしまいます。
仕事や勉強が退屈になったら
学習の心理学においては、まず第一にその作業に慣れることが大切です。行動しなければ目標は決められません。
次に、作業に慣れてきたら作業の内容を難しくしていくことです。そして最後に新しく自分で自分自身の課題を見つけていくという流れを守ることが集中力を保つ秘訣です。
ぜひ今回の話を参考にして目標やK台のレベルを調整してみてください。
作業に慣れてきたら作業の内容を難しくしていく
最後に、新しく自分で自分自身の課題を見つけていく