- 共感できなくても気にしなくていい理由
- 感情を表に出しにくいのはどういう人?
- しぐさの意味を理解すると気持ちがわかる
- 相手への気遣いはしぐさの理解から生まれる
- 人は素直に気持ちを伝えない
- 相手のしぐさを見ても、早とちりしない
- わかりやすいしぐさ、なだめ行動
- 相手のなだめ行動を確認したら
人の心を読む
相手が緊張しているかどうかというのは、その人を見るだけでなんとなくわかってしまいます。
しかし、それと同時に私たちは自分が緊張しているときは相手にそれが伝わらないように表現を抑えることもします。
日本と海外では自分の思いを伝えることに対して違いがありますが、思っている事をなんでもかんでも、相手が傷つくかどうか考えずに言ってしまう人は、どこの国であっても少ないです(喧嘩が多くては元も子もないから)。
つまり、こうした表現の違いは文化や人種による違いというよりは個人の経験の違いによる差のほうが大きいのです。実際に陽気だと言われるアメリカ人にもシャイな人はたくさんいます。
共感できなくても気にしなくていい理由
私たちは日常生活を営む中で、相手のしぐさや外見といった表面的な事柄を見て、相手の気持ちや考えていることなど、内面的な事まで読み取る技術を自然と体得していきます。
とは言っても、これは完全に自然任せで学校で習うわけでもなく、必ず誰かが教えてくれるといったシステムも確立されていないので、人によっては相手の気持ちがまったく読めない、理解できないといったことも起きます。
そういう人たちは自分が人の気持ちを共感できないことで苦しむこともありますが、共感できないのは、あなたがただそれを学習していないからなので仕方ありません。
ですから相手の言っていることに共感できないときは、相手の言っていることを頭で理解して、自分の中の似たような経験と結びつけて考えてあげればいいのです。
そうすれば相手もあなたも、お互いに繋がりを感じることができるようになり、気まずい気持ちも和らいでいきます。そして一緒にいるのが楽しくなります。これが共感能力の正体です。
感情を表に出しにくいのはどういう人?
また人の気持ちがわからないという人とは逆に、相手に自分の心を簡単には読ませない技術ばかりが磨かれてしまった人もいます。
無意識的か意識的か、そういう人たちは他の人と距離を取りがちです。また、いつも心のどこかで他人のことを疑っているので、人と一緒に時間を過ごすとすぐに疲れてしまい、ひとりぼっちを好みがちになります。
もちろん、孤独感がなければ一人で過ごすのも良いでしょう。
しかし、場合によってはそれでは幸せになるどころか、どんどん不幸になっていってしまいますので、もう少し物事の明るい面に目を向ける癖をつけるといいかもしれません。
しぐさの意味を理解すると気持ちがわかる
私たちは心理的なストレスを感じると、気持ちを落ち着かせるために手元にある物をいじったり自分の体に触れたりします。
また、緊張をほぐすためにいつもやっている癖が出てしまいます。わかりやすい行動で言うと、貧乏揺すりが一般的ですね。
私たちは貧乏揺すりをしている人を見ると、「イライラしているなぁ」とか「落ち着かない人だなぁ」と直感的に感じますよね。これです。
相手への気遣いはしぐさの理解から生まれる
「貧乏ゆすりを見て、相手がイライラしていると感じる」ということは、つまり、相手のしぐさを頭で理解して、言葉では言われていなくてもその人の気持ちを察しているという状況です。
こういうふうに相手のしぐさの意味が理解できると、ストレスを受けていて瀕死の状態の相手に追い打ちをかけてしまうといったミスを減らすことができます。
誰だって好きな人が傷ついてぐったりいるときに、こちらからさらに別の追い打ちダメージを与えるようなことはしたくないですよね。
人は素直に気持ちを伝えない
しかし、ある程度お互いの仲が良くなれば、どちらも相手に嫌われたくないと思いマイナスの感情を表現することを自分からやめてしまうこともあります。疲れているときなどは口を開くのも億劫になっているかもしれません。
また、たとえば「疲れているから」と言われたら「こっちだって疲れてるよ!」って反論してしまい、つい喧嘩になってしまうことも考えられます。
なので、気にしすぎる人は自分の気持ちを隠しがちになります。喧嘩の例は少々考えすぎかと思いますが、そこまで慎重に考えている人は一定数いるのです。
つまり、イライラしている人がいつも「自分は今イライラしているから扱いに気をつけてくれ」と言ってくれるわけではないのですね。
また、人間関係の状態にもよりますが、人によってはそういう情報をまったく示さない場合もあります。先ほど説明した、感情を表に出しにくい人たちですね。
相手のしぐさを見ても、早とちりしない
しかしそういうときでも上記の貧乏揺すりのように、相手のしぐさの意味を理解できたら理性を使って「今は余計なことは言わないようにしよう」と心掛けることができます。
ただ、そういうしぐさの意味は、現在私たちが普通に生きている中では学ぶ機会がありません。
学ばなくても、貧乏揺すりみたいにみんな知っている、周知の事実くらいになっていればいいのですが、そうでもないしぐさもあります。
また、癖やしぐさは人によっても変わってきますので、本に書かれているからと言って必ずそういう意味になるとも言い切れません。
ここは大事なポイントです。ひとつのしぐさからは、ただ「そういう可能性がある」ということがわかるだけなのです。万能ではないのですね。
不安な気持ちときに人にボディタッチをされると不安感が和らぐ。もちろん、そんな気もないのに性的なタッチングをされると不快になりますが、不安な時は親しい人や友人と触れ合いの機会を意識して増やすといいですね。
— ちょっぺ〜先生@心理学博士 (@kruchoro) 2020年8月21日
わかりやすいしぐさ、なだめ行動
しかし、ちょっと話は広がってしまいますが、心理的ストレスを感じているときにすべての人が行う行動があります。
それが「なだめ行動」と呼ばれる、自分で自分をなだめているように見える行動です。
なだめ行動:貧乏ゆすり
実は貧乏揺すりもこのなだめ行動のひとつで、貧乏揺すりをする本人はそれをしている間、落ち着きを取り戻す準備ができるのです。
昔はストレスを感じたら単純にそこからすぐ逃げれば良かったのですが、現代の生活では、ストレスを感じたからといっていきなり逃げ出していたら生活ができなくなります。
そこで逃げる代わりに、貧乏ゆすりをする人たちは足を動かして逃げ出したい衝動を昇華しながら、体に刺激を与えることでマッサージみたいに緊張をほぐそうとしているのです。
なだめ行動:膝をこする
貧乏揺すり以外にもわかりやすいのが、「膝をこするしぐさ」です。
緊張してかいてしまった手汗を拭いながら、自分の脚に触れる(しかもまさにマッサージをして血流を良くしようとしているみたいに)ことで落ち着くことができます。
汗を拭くという理由付けもできるので、このしぐさはわりと簡単に行動に移せます。相手がふと腰〜膝のあたりを行ったり来たり手を使ってこすっても、はたから見ていて特に違和感はないですよね。
相手のなだめ行動を確認したら
この膝をこするしぐさはテーブルで相手の脚が隠れてしまっていても腕と体の動きでわかります。
回数が増えたり、膝をこする腕の動きが強まったらさらにストレスを感じ始めたということですので、話題を変えるとかポジティブな言葉をかけてあげるといいですね。
ポジティブな言葉は、「そんなことないよ」と反論される可能性もありますし、相手の腑に落ちずに失敗する可能性もあるので、話題を変えるのが鉄板のやり方かもしれません。
またもちろん、私たちは脚が寒くても膝をこすって体を温めようとするので、この場合も早とちりしないことです。
そういうときはエアコンの温度を上げてあげましょう。寒いときの膝こすり動作は、体を丸めながら行うので区別はつきやすいと思います。相手も「寒くない?」と言いながらやることが多いです。
・次回の解説は↓