緊張しているかどうかは換気行動でわかる
私たちが仕事でストレスを感じていたり、人前に上がるなどして緊張したときによく行うしぐさとして、換気行動があります。
換気行動というのは、そのままなのですが、服の襟や胸ぐらあたりを掴んで引っぱり、服の内側に空気を入れるしぐさのことです。
「ああ、あちぃー」とか言いながら首まわりの襟を引っ張っている男の人が想像できましたか?そうそう、そんな感じです。
この場合は暑いから服の中に冷たい空気を送り込んでいるのですが、私たちは緊張すると、暑くなくてもこの換気行動を取ります。
この「襟を引っぱるしぐさ」は男の人が行う場合が多いですね。最近はあまり大げさにやる人はいないかと思いますが。
女性の換気行動
この「襟を引っぱるしぐさ」の換気行動は、女性の場合だと文化的にやりにくい傾向があります。
なので、このしぐさの代わりに、女性は後ろに垂れている長い髪の毛をバサッとあげたり、前髪をかきあげたりして換気をします。
また、腕を前にやったり体をちょっと丸めたりして、さりげなくブラウスをゆったりさせて内側に空気を入りやすくするというしぐさもあります。
女性の場合は、男性と違って、換気行動がちょっとわかりにくいかもしれません。
換気行動はわかりやすい
しかし、基本的に換気行動はわかりやすいしぐさの一つです。
男性の場合の換気行動は、襟元を引っ張ったりネクタイを緩めたりするので特にわかりやすいですね。
映画とかドラマなどで、緊張するシーンを演じている俳優さんがよくやっていますよね。
つまり、それくらい一般的にも見ていてわかりやすいしぐさが換気行動なんですね。
心が苦しくなると呼吸も苦しくなる
大げさな換気行動は、見た瞬間に明らかに「あ、おどおどしてる!」と感じます。例えば、大きな嘘をついている人が焦ってつい換気行動をやってしまうこともあります。
ものすごく張り詰めた場面に遭遇したときに、私たちはよく「息苦しい」という表現を使いますが、心理的に息苦しくなると身体的にも息苦しくなるので、呼吸がしやすいように自然と換気行動を取るようになるのです。
日本人の換気行動はわかりにくい
しかし、「換気行動は人がよく行うしぐさ」とは言っても、日本人の場合は少し様子は異なります。
日本では、一般的に自分の気持ちをストレートに表現している行動を取ることは相手に失礼だと考えるので、もっとさりげなく換気をします。
例えば、襟ではなく腕の裾を触ったり、袖のボタンを外して換気しやすくしたりといった感じです。
腕時計を付けているほうの手首をクルクルッ!っと回転させる行為も換気行動のひとつです。そうやって腕時計の締め付けを楽にして、腕部分の換気をしているのです。
と、それくらい換気行動は見た目でわかりやすいので(暑がっているというイメージもついてしまうという欠点もあります)、私たちは商談など真面目の交渉のときはもっと別の、よりさりげないしぐさで不安や緊張をひっそりと表します。
その行動はまた次回に解説します。お楽しみに。
・次回の解説は↓