人の言う好きなタイプには嘘が多い?
好きな異性のタイプに関する調査では、自分の理想の交際相手について挙げられることが多いです。
しかし、それらの回答は現実の恋愛をあまり反映していないという問題点があります。
たとえば、テレビや雑誌に出てくるような美男美女と付き合いたい!結婚したい!と思っていても、実際には誰もがそんな相手とロマンチックな恋愛をするわけではないですよね。
つまり、理想的な恋人や交際については書かれていても、実際にどんな人を好きになったのか?という現実や事実については書かれていないことが多いのです。
なので、「理想的な交際相手に関する調査はあまり当てにならないのでは?」という問題があるのです。恋愛においても理想と現実は違うものなのですね。
自分と同じ魅力がある人を好きになる心理
そこで、2019年におこなわれたスターリング大学(イギリス)心理学部のアンソニー・J・リー、グラスゴー大学(イギリス)の神経科学心理学研究所のリサ・M・デブライネ教授、ベネディクト・C・ジョーンズ博士らの研究では、魅力的に思う異性についてではなく、自分自身について魅力的だと感じていることを評価基準に使って調査をおこないました。
「これが自分の魅力だ!」と思っているものと同じ特徴が相手にも当てはまっているとき、その異性のことを魅力的だと感じるのではないか?と研究者は考えたわけです。
すると実際に、男女ともに、より自分に近い特徴やプロフィールを持つ相手を好むことがわかったのです。理想よりも類似性が勝つのですね。
異性にモテる自己紹介文とは?
結果を詳しく見てみますと、全体的に、男女ともにアウトドアの活動や音楽・芸術について語るプロフィールがより望ましいと評価されました。
スポーツ系とアート系の趣味を持っている人がモテやすいのですね。
個人の性格については、特に外向的で協調性の高いことを示す内容が自己紹介文に書かれていると人気がアップし、モテることがわかりました。
女性の場合には、健康的なライフスタイルをおくっていることや、友人・家族について語っているとより望ましいと評価されました。
女性は自己紹介文から、家庭的な雰囲気が感じられると、よりモテやすくなるのです。やはり家庭的な女性は人気なのですね。
マッチングアプリでうまく出会えない人は、写真選びを間違えてしまっていることが多い。学校や職場、知り合いの紹介などコミュニティ内で自然発生する恋愛と異なり、アプリの出会いは顔から入るのでより見た目が重視される。なので、「中身を見てもらおう!」などと考えていると失敗しやすくなります。
— 心理学を解説する ちょっぺ〜先生 (@kruchoro) 2021年12月16日
異性にモテない自己紹介文とは?
また、男女ともに、「性的なこと」「子持ちであること」について書かれた場合には、好ましくないという評価になりました。
予想通りの展開ですが、最初から下心丸出しではダメなのです。女性だけではなく、男性からの評価も下がったのが面白いですね。
ちなみに、この研究では、男性は「学歴・地位」、女性は「素直・優しい」「ペットの世話をしている」といったことについて自己アピールする傾向が見られました。
なので、女性は男性に対して仕事の話、男性は女性に対して優しさアピールや動物の話をするように意識してみましょう。
参考論文
Lee, Anthony & Jones, Ben & DeBruine, Lisa. (2019). Investigating the association between mating-relevant self-concepts and mate preferences through a data-driven analysis of online personal descriptions. Evolution and Human Behavior. 40. 10.1016/j.evolhumbehav.2019.01.005.