ジュースの飲みすぎで暴力的に?
ジュースの飲みすぎが体に良くないのは周知の事実ですが、健康上のリスクだけではなく、精神衛生上も良くない可能性があります。
これは特にジュースを消費しているのが子供の場合に、大きな悪影響が出るかもしれません。
ジュースを飲む子供は集中力がない
2013年の調査によると、炭酸飲料を飲む子どもは、飲まない子どもに比べて、攻撃性のスコアがやや高く、注意力も低下している傾向があります。
コロンビア大学メールマン公衆衛生大学院疫学部のシャキーラ・F・スグリア、バーモント大学経済学部のサラ・ソルニック、ハーバード公衆衛生大学院のデビッド・ヘメンウェイ博士らは、アメリカの都市に住む2,929人の5歳児を調査しました。
すると、家庭環境や遺伝的要因などの数値を調整しても、清涼飲料水の消費量は幼児の攻撃的な行動と関連していたことがわかりました。
4杯以上のジュースで暴力性が2倍に
研究では、攻撃性、引きこもり行動、注意力の散漫といった問題行動が、幼児のソフトドリンク摂取量と関連していました。
ジュースが引きこもりや注意力の問題とも関連があるのは興味深いですね。
具体的に見てみますと、1日に4本以上ソフトドリンクを飲む子どもは、他人の持ち物を壊したり、喧嘩をしたり、他人を身体的に攻撃したりする可能性が2倍以上高かったのです。
緊張したり不安を感じるとお腹が痛くなる人がいますが、これは脳と腸が自律神経でつながっているために起こる現象です。つまり、脳と腸の健康はシンクロしている(脳腸相関)のです。なので、腸内環境が悪くなるとメンタルも病んでいきます。食事がメンタルヘルスにとっても重要なのはこのためです。
— 心理学を解説する ちょっぺ〜先生 (@kruchoro) 2022年1月19日
ジュースが原因で暴力的になるのかはまだ不明
しかし、この研究では、ソフトドリンクのサイズ、ソフトドリンクの種類など、どのような清涼飲料水が特にソフトドリンクとしてカウントされるのかについては具体的に考慮されていません。
最近ではエナジードリンクなどカフェインが豊富な飲み物もたくさんありますから、飲み物のなかにはより影響力の強いものもある可能性があります。
また、この研究結果は、ソーダを飲むことと攻撃的な行動の間に相関関係がある可能性を示唆していますが、因果関係があると結論づけるものではありません。
つまり、ソフトドリンクを飲むことがこの種の行動を引き起こすのか、問題を起こす子供ほどソフトドリンクを飲みたがるのか、はまだわからないということです。
いずれにせよ、ジュースの飲みすぎは肉体と精神の両方の健康に悪影響がある可能性が大いにあるので、子供が無制限にがぶがぶと飲みすぎていたら制限をしたほうがいいでしょうね。
参考論文
Suglia SF, Solnick S, Hemenway D. Soft drinks consumption is associated with behavior problems in 5-year-olds. J Pediatr. 2013 Nov;163(5):1323-8. doi: 10.1016/j.jpeds.2013.06.023. Epub 2013 Aug 19. PMID: 23968739; PMCID: PMC4083697.