ルックスの良い人は職場でいじめられやすい
また、職場においても、容姿端麗な従業員は、同性の同僚や上司から敵意を向けられることが多く、同様の傾向が見られます。
さらに、魅力的な候補者は、同性の面接官との面接で成功しないことが多いこともされています。これは見た目の良い人が企業に入社することを脅威とみなすからだと考えられています。
魅力的な人は本当に楽な人生を送っているのか?
これまでの研究では、容姿端麗であることのプラス面が多く指摘されており、容姿端麗であることのマイナス面に関する研究は確かに少ないのですが、だからといって、容姿端麗な人の苦労が軽微であるとは言えません。
魅力的な人たちが受ける職場でのデメリットだけでも人生に大きな影響を与えます。なぜなら、一般的な職場では、同僚の約5割が同性であることが当たり前だからです。
同僚の半分に敵意を向けられたらメンタルがつらいですね。
顔が良いことで得られるメリットがいじめで消える
この心理のため、容姿端麗であることによるメリットは、それに伴うデメリットによって多少なりとも相殺されてしまうのです。
たしかに見た目が良いというだけで得することは多いのですが、一方で見た目が良いせいで損をすることも意外と多いのです。
美男美女がいじめられやすい職場の特徴
この割合は、看護師、建設作業員、IT作業員、スポーツ選手、客室乗務員などの特定のグループでは、はるかに高いことが多くなります。これらのグループでは、同性の割合がさらに高くなるからです。
つまり、同性が多数所属するグループや職場で働く場合、見た目が良い人はその美しさを武器にできるどころか、かえって問題が起こる種になってしまうのです。
職場において美容プレミアムが発生するのは、容姿端麗で、かつ異性の同僚が多い環境で働いている人に限られます。
見た目が良い人ほど浮気しやすく、恋愛関係が破綻しやすく、家事や子育てを頑張りません。ルックスにも””ちょうど良さ””があるのですね。芸能人クラスのイケメンや美女がたまにものすごい問題を抱えていたりしますが、この心理が原因です。
— 心理学を解説する ちょっぺ〜先生 (@kruchoro) 2021年2月21日
きれいな芸能人がメンタルを壊してしまう理由
仕事は人生の中で非常に大きな部分を占めていることを考えると、「容姿端麗な人は人生をイージーモードで過ごせる」という一般的なイメージは、少し言い過ぎであり、一般化しすぎているのではないかと考えられますね。
見た目が良くてかなり人生を楽しんでいるように見える芸能人でも突然メンタルを壊したりする話がありますが、これには今回のような心理的な理由が隠れていたのです。
ルックスが良い人たちは自分の身を守るためにも、ぜひこのことを肝に銘じておいてください。
参考論文
Agthe, Maria & Spörrle, Matthias & Maner, Jon. (2010). Don’t Hate Me Because I’m Beautiful: Anti-Attractiveness Bias in Organizational Evaluation and Decision Making. Journal of Experimental Social Psychology – J EXP SOC PSYCHOL. 46. 1151-1154. 10.1016/j.jesp.2010.05.007.