清潔感な人は誠実である
イリノイ大学アーバナシャンペーン校心理学部のジョシュア・J・ジャクソン、ブレント・W・ロバーツ、 ウェイクフォレスト大学心理学部のダスティン・ウッド、 インディアナ大学心理脳科学部のティム・ボッグ、セント・ジョーンズ大学心理学部のケイト・E・ウォルトン、ネブラスカ大学経営学部のピーター・D・ハームズ博士らの2010年の研究によると、ビッグファイブの性格特性のひとつである誠実性が高い人たちは、より清潔で身だしなみをきちんとする傾向があることがわかっています。
清潔感は人がモテるための要素のひとつですが、清潔な状態は単に病気にかかりにくくなるというだけではなく、良好な人間関係の存続に必要な誠実性とも関連しているのです。
この研究は、1359人の大学生の参加者を対象に行われたもので、個人の性格特性と行動が実際に結びつくのかどうかについて調べられました。
その結果、誠実性の高い人たちには、「目標達成」と「自制心」という一貫したテーマにかかわる行動が多く見られることが確認されました。
誠実な人がよくする行動パターン
具体的には、誠実性の高い人ほど、きれい好きで、仕事熱心で、社会のルールや礼儀を守り、行動を起こす前によく考え、整理整頓をすることができます。
たとえば、重要な予定ができるとそれを予定表に書き留めたり、髪をとかしたり靴を磨いたりして身だしなみを整えたり、床をきれいに磨いたりといったほか、背筋を伸ばして姿勢をよくする傾向があります。
誠実な人は、ほかの人にどう見られているのかを気にしていると言い換えてもいいでしょう。
誠実な人は成功しやすい
先述の行動パターンから、誠実性の高い人ほど、責任感があり、組織や集団の秩序や社会的な慣習・形式を守り、衝動を制御することができ、時間を守り、見た目に気を使うことができ、怠惰な行いをすることが少ないことがわかります。
こうして特徴を並べてみると、誠実な人がモテるのもわかりますね。姿勢が良い人ほど衝動を抑制できるという心理がありますが、これには誠実性の高さが関連していたのですね。
さらに、こうした特徴は人間関係だけではなく、仕事や勉強などの目標達成にも深くかかわっています。なので、誠実な人ほど成功もしやすいのです。
不誠実な人がよくする行動パターン
一方で、誠実性の低い人たちは、限度額を超えてクレジットカードを利用したり、テレビを長い時間見過ぎたり、予定を突然キャンセルしたり、他人の悪口を言ったり、寝坊したり、人との約束を勝手に破ったりします。
後半の特徴はもはやただの嫌な奴ですね笑。自己管理の甘さが、不誠実な人かどうかを見破るためのヒントになることが多いようですね。
実は誠実な人ほど成功しやすいことがわかっています。なぜなら成功するためには誠実な人が持っている力が必要不可欠だからです。誠実な人が持っている力とは、責任感や意志の強さのことです。これらの能力が高い人ほど他者から信頼されやすく、仕事のパフォーマンスも高くなるのです。誠実になろう。
— 心理学を解説する ちょっぺ〜先生 (@kruchoro) 2020年6月30日
誠実性を高めたいときはどうするべきか?
誠実性の高さをあらわす行動は、どれも日本社会では一般的に大切だとされているものなので、誠実性を高めたいのであれば「当たり前」だと言われていることほどきちんと意識して行うとよいでしょう。
あるいは、誠実性の高い人ほど仕事を怠ることに罪悪感を感じる傾向が見つかっているので、「これをしなかったらどうなるだろう?」とやるべきことをしなかった未来について考えるのも良い手です。
参考論文
Jackson JJ, Wood D, Bogg T, Walton KE, Harms PD, Roberts BW. What do conscientious people do? Development and validation of the Behavioral Indicators of Conscientiousness (BIC). J Res Pers. 2010 Aug 1;44(4):501-511. doi: 10.1016/j.jrp.2010.06.005. PMID: 21278818; PMCID: PMC3028204.