目標は高い方がいいのか?低い方がいいのか?
今回は目標の立て方に関する心理学のお話です。
目標の設定は高い方がいいか、低い方がいいか、みなさんはどっちだと思いますか?あるいは自分で目標を立てるときにどのくらい難しい目標を立てていますか?
このちょっと難しい問題に対する答えは科学的にすでに出ているようです。
その答えは「目標の設定は低い方がいい」です。どうしてそうなるのでしょうか?
簡単な作業は自信をつけてくれる
ワシントン大学の行った心理学研究によると、実験の参加者に難しい課題と簡単な課題をやらせてみたところ、その後の彼らの自己評価に違いが見られました。
簡単な作業をした参加者は自己評価が高くなったのに対し、難しい作業を行った参加者の方は自己評価が低くなり自分のことも嫌いになってしまったのです。
難しい作業でも失敗すると落ち込んでしまう
つまり、目標達成のハードルが高い難しい作業の方では、その作業に失敗するとひどく落ち込んでしまい、そのために自己評価も低くなってしまうということです。
難しい作業をしているのだからそれが達成できなくても落ち込む必要はないんじゃないか、と思えるかもしれませんが当事者の人にとってはそういう理由は気休めにもならないってことですね。
これはたしかにちょっと想像してみると共感できる部分があるかもしれません。
例えば「よーし、頑張るぞ!」と張り切って新しいことや難しいチャレンジをやろうとした経験は誰にでも一度はあるかと思いますが、こういうチャレンジをするときはついテンションが上がって計画の段階でかなり高い理想を思い描いてしまうんですよね。
やる気があるときほど冷静さを失っている
あとになって冷静さを取り戻したときに考えてみれば「そんなうまいこと運ぶわけないよね〜」と思えたりするのですが、夢に向かって現在進行形で挑んでいるときには心に火がついているので自分ではなかなか失敗したときのことを想像することができなかったりします。
それが高い目標を持って失敗してしまったときに自己評価が下がってしまう原因になってしまうんですね。
目標はコツコツ確実に
またこれは以前の記事でも少し話しましたが、やはり目標というのは小さくても確実に上がり続けることを意識したスモールステップの法則を使うといいんですね。これは心理的にもいい影響があるだけではなく、実際に達成できる目標の数や幅も広がるのでオススメです。
また、この徐々にステップアップして成長していく心理術は、目標に関する幸福度を最大化できる方法でもあります。
自信と勇気を取り戻す方法
もうひとつ、今回の心理実験でわかった「簡単な作業をすると自信がつく」という原理を利用して、失ってしまった自信を取り戻すといったこともできます。
過去に失敗してしまった経験を引きずってしまって新しいことにチャレンジする勇気が持てなくなっている状態の人は、まずは簡単な目標・作業から始めてそれをひとつひとつ達成しているという感覚を噛み締めていけば、自然と自信や勇気がついてくるはずです。
というわけで「いいな!」と思ったらぜひ試してみてください。
簡単な作業をした方が自信がついて自己評価が良くなりやすい