危ないことをしたくなる心理がある
ギャンブルにハマってしまったり、危険な遊びをしたり、無謀な挑戦をして失敗してしまう人には共通点があります。彼らは同じ心理学の罠に引っかかってしまっています。
ひとつには自制心の問題です。自制心が低いと目の前の報酬に気を取られて、冷静な判断ができなくなってしまいます。
そもそもギャンブルのようなものはすぐに結果が得られるので人間の欲を招きやすいという特徴があります。
この目の前の欲求に抗うための自制心や、望んだ計画を実行する意志力は人生の幸福度を高める上でも重要な指標になっています。
依存症対策はこんな感じで、小さいところから始めていくと良いです。また依存症になる前の段階でも、やめたいことがあるなら一気に変化をつけるのではなくハードルを下げて簡単なことを積み重ねてください。急な変化によるリバウンドが一番心と体に悪いからです😭https://t.co/VGuNS9VdTl
— ちょっぺ〜先生@心理学作家 (@kruchoro) 2019年5月26日
大勝ちしたときの快感が忘れられない
またもうひとつの心理的な罠が、大勝ちを経験したときほどその快感が忘れられずに可能性の低い結果に賭けてしまうビッグウィン仮説と呼ばれるものです。
みんなで卓上ゲームで遊んでいるときなどは、その場の雰囲気に飲まれやすくなっているので、この罠にかかりやすかったりします。
ビッグウィン仮説
アメリカ、ノースダコタ大学のジェフリー ウェザーレイ博士は、このビッグウィン仮説に関する実験してみました。
先ほども少し触れましたが、ビッグウィン仮説とは、大勝ちしたときが唯一の勝利のパターンだと誤解して思い込んでしまうバイアスのことです。
私たちは心理的にもその方が興奮しますし、ストーリーとして見ても「可能性の低い事柄に挑戦して見事勝利した」という話はドラマティックなのでつい惹かれてしまいますよね。
というわけで、その心理的影響力がどれほど強いのかというのを、今回の実験で調べてみたのです。
大勝ちした快感が忘れられなくなる心理
まず実験では、大学生集めて彼らに細工をしたスロットマシンで遊んでもらい、その実験が終わった後でも彼らがどれくらいそのスロットマシンで遊び続けるかということを調べました。
その際に一方のスロットマシンでは大勝ちするパターンの細工をし、もう一方のスロットマシンには中程度の金額が手に入るパターンの細工をしていました。
その結果は、やはり大勝ちをするプログラミングをされたスロットマシンで遊んでいた学生の方が実験の後も長くスロットマシンでギャンブルを楽しむというものになったのです。
大勝ちするほど依存しやすくなる
ビッグウィン仮説の内容通りに、大勝ちして平均より多くのお金を手にしたという記憶が彼らの行動に影響を与えたのです。
平均すると彼らは実験後に72回スロットを回しましたが、大勝ちするパターンではなかった学生たちの平均は58回でした。
こうして比べてみると両者の回数にはそれほど大きな差は見られませんが、大勝ちをした人ほどギャンブルなどの大きな賭け事にハマりやすくなる傾向があることは証明されました。
味をしめるという言葉がありますが、心理学的にもこれは正しいということがわかります。
ギャンブルをして偶然大きな報酬を手にした人たちはこの経験に味をしめてしまうためにギャンブル依存に陥りやすいのです。注意しましょう。私たちは自分の都合に良いように記憶を作り変えてしまうのです。
日常生活に潜むギャンブルの罠
さらにこのビッグウィン仮説はギャンブル以外にも言えます。
常識や確率的にはありえない珍しい経験をしたことで、無茶な決断をしたり少ない可能性に賭けて時間やお金を無駄に浪費してしまうといったことが起こり得るのです。
特にギャンブルと違って個人的な挑戦によって得られた評価は、本人の実力なのだと周りから見なされて持ち上げられてしまうことが多々あります。
それによって冷静に考えれば挑戦しないような大きな賭けに出てしまい、後悔してしまうことが起きてしまいます。
ギャンブルにハマりそうになったら
そこで大きな選択やギャンブルをするときには、今の自分の選択が過去の大きな成功体験に強く影響されていないか一度考えを整理する必要があります。
それから大きな挑戦をすることで失うものや、逆に得られるものを列挙して冷静に評価することで、後悔しない決断をすることができます。
というわけで、何か大きな挑戦をするときこそ、計画と分析を怠らないようにしましょう。もちろん大きな損失になる可能性がない挑戦ならば、逆に積極的にこなしていくのが個人的にはオススメです。
よく言うように、コツコツと結果や経験を積み重ねることでしか私たちは成長できないのです。
ギャンブルにハマるのは大勝ちするのが気持ち良いから
大勝ちを経験してしまうと人は無謀になる