- 4つの内向性タイプについて
- 社交型内向性の特徴
- 社交型内向性のためのセルフケア
- 思考型内向性の特徴
- 思考型内向性のためのセルフケア
- 不安型内向性の特徴
- 不安型内向性のためのセルフケア
- 自制型内向性の特徴
- 自制型内向性のためのセルフケア
- 参考論文
性格に合わせたセルフケア方法
以前に、内向性といっても1つの性格を指すのではなく、そのタイプによって4つの性格に分けられると解説しました。
これを内向性のSTARモデルと言いますが、今回はこのSTARモデルに沿って内向型人間がより快適に生きるためのセルフケアを紹介していきます。
4つの内向性タイプについて
まずはSTARモデルのおさらいを軽く行います。
ウェルズリー大学で人格心理学を教える心理学者のジョナサン・チーク教授によると、内向的な人には4つのタイプがあります。
社交型内向性(Social Introvert)、思考型内向性(Thinking Introvert)、不安型内向性(Anxious Introvert)、自制型内向性(Restrained Introvert)の4つです。
さらにチーク教授は、内向的な人の多くは、1つのタイプではなく、実際には4つのタイプのすべてを兼ね備えていると論じています。
つまり、どんな内向型人間もこれら4つの特徴を少なからず持っているのです。
というわけで、それぞれの性格特性が極端な形であらわれて困ったときに、今回の対処法を試してみてください。
社交型内向性の特徴
まずは社交型のセルフケアについて解説していきます。
社会型は、社交の場ではシャイで臆病だと誤解されがちですが、必ずしもそうとは限りません。
もしもあなたが社交型の内向性を持っているのなら、不特定多数でパーティーをするよりも、家で一人でいることや、少数人の親しい友人と出かけることを好みます。
人と一緒にいることが必ずしも不安の引き金になるわけではありません。社会型は単に孤独でいることの心地よさを味わっているだけなのです。
社交型内向性のためのセルフケア
社交型の人たちは次のポイントに注意しましょう。
- 自分の内向的な性格を受け入れ、エネルギーをチャージするために、一人の時間を持つようにする。
- 他人を喜ばせるために、大勢が参加する社交的なイベントで無理をしない。
- 人ごみの中で長い時間を過ごした後は、騒がしさから解放される時間を持ちましょう。
- 自分を理解して受け入れてくれる家族や少人数の友人と常に連絡を取り合いましょう。
思考型内向性の特徴
思考型はよく物思いにふけったり、人生について考えたり、自分自身を分析する傾向があります。
思考型は、社交的な状況を避けず、他の人の存在を気にしません。思考は特にその人の内向性を表す行動です。
内向的というのは、内面が豊かで、特に本を読んだり映画を見たりした後は、いつも物思いにふけり、内省的であるということです。
自分の気持ちを振り返り、夢のような想像の世界に浸って、空想の世界を長く楽しみます。
思考型内向性のためのセルフケア
- 日記を書くなどして、自分の考えや感情を振り返る時間と空間を作る。
- 自分のクリエイティビティを発揮するためのスケジュールを立てて、趣味や創造性を追求する。
- 自分の強みを生かし、作家など内向的な人にぴったりな職業に就く。
- 常に思考を深めているため、現実との接点を失わないように、有意義な人間関係を築き、刺激を受け続ける。
不安型内向性の特徴
社交型とは対照的に、不安型は社会的な場面での注目、特に不慣れな場面での注目を避けるためにわざと一人で過ごし、自分を孤立させます。
自分の社交性に自信がない(余裕がない)こともあり、人前では気まずく感じ、苦痛になるほどの強い自意識を感じてしまいます。
しかし一方で、一人でいても、何がいけなかったのか、どうすればよかったのかといったことをイベントの後も考え込んでしまうので、不安が軽減されることはありません。
4つのタイプの中では、この不安型が厄介な問題を最も抱えやすいタイプかもしれません。
不安型内向性のためのセルフケア
- 不安になるような状況を記録し、不安を解消するための方法やメソッドを学ぶ。
- 運動やバランスの取れた食事、マインドフルネスを実践し、自分の健康を第一に考える。
- 難しいことかもしれませんが、「何事も最終的にはうまくいくのだ」という考えを常に心に留めておく。
- 家族や親しい友人に心を開いて、サポートと安心感を得る。また、スクールカウンセラーやセラピスト、医師、あるいは精神科医に専門的なアドバイスを求める。
自制型内向性の特徴
自制型は、「話す前に考える」ことを好みます。計画が好きなタイプとも言えます。
彼らは、朝起きた瞬間に元気が出ることはまずないです。じっくりとウォーミングアップをし、考えをまとめ、観察してからでないと、発言や行動に移せないのです。
そのため、彼らは突発的な事態やイベントごとを避けようとし、決断するときはとても慎重になる傾向があります。
神経学的に見れば、外向性の高い人はドーパミンとアドレナリンなど交感神経系の働きが強い。なので、活発に行動したがる傾向がある。一方で、内向性の高い人はアセチルコリンや副交感神経系の働きが強い。なので、じっくりと腰を据えて思考を整理する傾向がある。神経系の状態が異なるので性格も変わる
— 心理学を解説する ちょっぺ〜先生 (@kruchoro) 2022年3月31日
自制型内向性のためのセルフケア
- 朝は、その日の慌ただしさに圧倒されないよう、身支度に十分な時間を割く。
- 一日の終わりには、ノンカフェインのお茶を飲みながら、リラックスしてストレスを解消するために、自分の時間を過ごす。
- 自分の考えを伝えるときは、じっくりと時間をかけて整理してから始める。必要であれば、深呼吸をするなどして、ゆっくりとした時間を過ごす。
- 内向的なライフスタイルを身につけることで、ストレスを軽減し、家族や親しい友人から孤立することを避ける。
といった感じです。繰り返しになりますが、内向的な人は誰しも4つの特性を少なからず持っているので、それぞれの特性が出てきて困ったときに今回のセルフケアの方法を使ってみてください。
参考論文
Grimes, Jennifer & Cheek, Jonathan & Norem, Julie. (2011). Four Meanings of Introversion: Social, Thinking, Anxious, and Inhibited Introversion.
Cheek, Jonathan & Brown, Courtney & Grimes, Jennifer. (2021). Update for Personality Scales for Four Domains of Introversion – Updated Preliminary research manual (2nd ed., 09-2014; updated 2020) jcheek e a.