嫌な記憶を何度も思い出してしまう
前に起きた出来事を何度も思い返してしまうことってたまにありますよね。中にはたまにじゃなくて、「日ごろからよく考えてしまいます!」という人もいるかもしれません。
性格が内向型思考よりの人(物事が起きた原因を外ではなく自分の中にあると考える傾向の人)ほど、考えたり他者に共感する能力が高いので、過去の出来事を思い返すことが多いではないかと思います。
「あれ?ひょっとしたら自分が相手に何かしたかな?」と、いろいろと考えを巡らすような感じですね。
反芻思考は落ち込みやすくなる
さて、この過去に起きた出来事を何度も思い返す作業を「反芻思考」と呼ぶのですが、この反芻思考が強い人ほど落ち込みやすく、ストレスにも弱いということがイェール大学の心理学者のスーザン・ノーレン・ホークセマ氏によって報告されています。
スーザン・ノーレン・ホークセマ氏によると、この思考のプロセスは私たちの心に容赦のない悪影響を持っており、反芻傾向の強い人ほど落ち込みやすいということがわかっています。
また、このように反芻思考を日常的にしてしまう人は、ストレスを感じる出来事に遭うと無気力になりやすく、抑うつにもなりやすいのです。
悪い可能性を感が出したらキリがなくなる
たしかにいろいろと考えてしまうことで悪い可能性についても考える回数が比較的多くなってしまいます。
本当は相手のちょっとした気まぐれだったり、たまたま運の悪いことが重なっただけの出来事だったとしても「ひょっとしたら自分に何か悪いところがあったのでは?」と考えることで私たちというのは意外と簡単に些細なことでも気になってしまうようになります。
しかもこういう悪い可能性って考え出したらキリがないんですよね。
不安はストレスをためる原因になる
そしてストレスが溜まると抑うつ的になって、何でもかんでも悪いように考えやすくなるという負の連鎖も起きやすくなってしまいます。
まぁ気になることは気になることとして仕方ないと諦めて、納得がいくように好きなだけ考えるという手もあります。
幸せを感じやすい人の特徴として「単純思考」がある、という研究も過去にありましたが、それとは逆のアプローチということですね。こちらの研究ではたしかに逆にすぐ物事を忘れる人ほど幸せになりやすいと言われています。
では、不安を感じたらどうすればいいのでしょうか?気にするなといっても気になってしまう場合の対処法はどうすればいいのでしょうか?
不安の解決方法はメタ思考
この場合はメタ思考は簡単に言うと、自分を自分としてではなく他者として考えてみると強迫観念から逃れられるようになります。
例えば、自分に何か悪い出来事が起きたとします。その出来事が気になってしょうがない場合は、第三者目線で起きたことについて考えてみると良いです。
自分を名前や「彼/彼女」と三人称で表現しながら「彼の身には〜が起きてそれを心配しているけれど、考えすぎじゃない?」みたいな感じで再思考してみるんです。
これが難しい場合は友達や家族に起きた出来事として考えてみるのもひとつの方法です。
また、下記の記事でも話していますが、瞑想を行なって自分の感情を受け入れることも役に立ちます。
過大評価・過小評価に気をつける
私たちは、自分に起きたことを過大に評価し、他人に起きたことを過小に評価しがちです。
他人にとっては大したことないものでも自分にとってはすごく気になったりますよね。その現象を利用して自分ごとを他人ごととして考え直してみるんですね。
そうすることで自然とメタ思考ができるようになり、冷静に物事を評価できるようになります。
反芻思考をすると落ち込みやすく、ストレスにも弱くなってしまう自分に起きたことを他人ごととして考え直してみると、強迫観念を追い払える