感謝の気持ちは心と体の健康レベルを高める
不思議なことに、感謝の心は私たちの体を健康にしてくれます。
感謝していることを日記に書くことで、感謝の習慣を身につけることに繋がり、健康効果を得ることができるのです。
感謝の気持ちを持つ練習は簡単なものでも効果があります。一日の始まり、もしくは終わりにあなたが感謝していることをリストアップしていくといったことでもいいのです。
カリフォルニア大学デービス校の心理教授であり、感謝の科学の第一人者であるロバート・A・エモンズ博士によると、感謝の気持ちを実践することは、私たちの人生に劇的で持続的な効果をもたらすことがわかっています。
感謝の心がもたらす健康効果
感謝の気持ちは、血圧を下げ、免疫機能を改善し、より効率的な睡眠を促進することができます。
さらには、うつ病や不安障害、薬物乱用障害の生涯リスクを減らし、自殺予防のための重要な回復力の要因にもなります。
人や物に感謝することで身体的に健康になるだけではなく、心理的にも健康になって自殺予防にもつながるのです。
誰でも無料ですぐに実践できるにしては、なかなかすごい効果ではないでしょうか。
感謝できる人は健康的な習慣を送る
また、感謝の気持ちを実践することは、私たちの行動にも影響を与えます。
研究によると、感謝の気持ちを持つ人は運動量が増え、食生活が改善され、喫煙やアルコールの乱用の可能性が低くなり、薬剤規定どおりに服薬する確率も高くなることがわかっています。
もちろん、これらの要素はすべて、より健康的で幸福な暮らしと結びついています。
感謝の気持ちが効果的な理由
感謝の気持ちがここまで効果的に私たちの心身に働きかえるのは、現在の状態に感謝することで、自分の人生に積極的に取り組むことができるようになるからです。
友人、自分自身、今の状況、周りの環境といったものを大切にし、感謝することで、私たちの心は、欠けているものや足りないものよりも、すでに持っているものに集中するようになります。
つまり、「足るを知る者は富む」の精神が宿るということですね。
感謝するようになることでネガティブな側面よりもポジティブな側面を見るようになるという感じです。
私たちの心は他人に親切にするだけで十分な幸せを感じられるようにできています!そしてこの親切は簡単なものでも効果があります。というわけで、素敵なツイートにはRT,いいねをして幸福度を上げていきましょう!!!
— ちょっぺ〜先生@心理学博士 (@kruchoro) 2021年1月9日
感謝の心がもたらす4つの健康効果
心臓病を防ぐ
こうした人の考え方はまた、身体の生化学に関すること、特に心臓病に関連する要因にも影響を与えます。
感謝の気持ちを持つ人は、安静時とストレスに直面している時の両方の場面で、善玉コレステロール(HDL)の値が高く、悪玉コレステロール(LDL)の値が低く、最低血圧と最高血圧が低いことがわかっています。
ストレスに強くなる
また、心拍変動のレベルも高くなります。心拍変動は神経系と心拍数が調和している状態を示す指標であり、この数値が高い人はストレスがより少なくなり、精神的にも健康でいられます。
ストレスに弱い人ほど感謝が役立つのです。
体の調子が良くなる上に老化防止になる
また、感謝の気持ちを持つことで、腎臓が血液中の老廃物をろ過する能力を示す指標であるクレアチニン(筋肉を使った後に出てくる老廃物)のレベルが下がり、心臓の炎症や心臓病のマーカーであるC反応性タンパク質のレベルが下がります。
つまり、体の調子が良くなり、病気にもかかりにくくなるのです。さらに炎症レベルが下がることで、老化防止・アンチエンジングの効果もあります。
ネガティブな感情を防ぐ
感謝の気持ちは、嫉妬、恨み、後悔、抑うつなどの私たちの幸せを破壊してしまう有害な感情をブロックしてくれるのに役立ちます。
私たちは、羨望と感謝を同時に感じることは不可能なので、感謝の心を持つことで嫉妬する気持ちがなくなるのです。すごいですね。
正しい感謝の心の育て方
エモンズ教授は、正しい感謝の練習は、あなたが感謝しているものを認識し、それを受け入れ、感謝することから始まると言います。
このためには、人から受け取った贈り物や優しさ、親切な行為、自分が楽しめたことや嬉しかったことを覚えておくことが大切です。
感謝したことを記録する
そこで博士は、感謝できることをきちんと覚えておけるように、毎日記録する習慣を持つことをおすすめしています。
感謝の瞬間を思い出す時間を定期的に設けて、日常的な出来事、個人的な属性や特徴、これまでの人生の中で大切にしてきた人たちに感謝する瞬間を見つけていきましょう。
そうすることで、感謝の気持ちを人生を通して長く持ち続けられるようになるとエモンズ博士は考えています。
参考資料
Gratitude is good medicine
https://health.ucdavis.edu/medicalcenter/features/2015-2016/11/20151125_gratitude.html