耳掃除はしなくていいい?
誰でも一度は耳掃除はしなくても大丈夫!という話を聞いたことがあるかと思います。しかし、一方で適度にした方がいいという話もありますね。ちょっとググってみると、賛否両論の記事がヒットします。
では、実際に耳掃除はしたほうがいいのか?しなくていいのか?もしくは、しないほうがいいのか?ということを解説します。
耳掃除はしてはいけない
今回の話は、アメリカ耳鼻咽喉科組合(The Ear、Nose、Throat&Plastic Surgery Associates)が発信している情報をもとに解説していきます。
結論を先に言うと、「耳掃除はしてはいけない」が科学的な正解です。「耳掃除はたまにでいい」でも「耳掃除はしなくいい」でも「耳掃除はしないほうがいい」でもなく、「してはいけない」のです。
耳垢は絶対に取り除いてはいけない
まず、そもそも耳掃除で取り除いてしまう耳垢について説明します。
耳垢の正体は皮脂やコレステロールの塊です。これらは鼓膜を汚れないように守っているほか、内耳に水が侵入しないように壁になってくれたり、感染症にならないように守ってくれたり、バクテリアやカビが耳の中で繁殖してしまうのを防ぐ効果があります。
耳垢がないと不健康になる
つまり、耳垢は良いやつなのです。かなり意外な話ですが、私たちの健康を守ってくれているのですね。
こうした作用があるので、もしも耳垢を取り除いてしまうと、健康を害することに繋がるのです。きれいにしておけばいいわけではないのです。
耳掃除をすると耳が傷つく
また、耳掃除をしてはいけない理由はそれだけではありません。耳掃除をすることで、耳が傷つき、聴覚に異常が起こる可能性もあります。
一見すると柔らかそうに見える綿棒ですが、こういうものでも簡単に鼓膜に届いてしまいます。鼓膜はとてもデリケートな器官で、軽く圧力をかけただけだと思っても、それで破裂してしまうことがあります。
難聴になる危険性もある
私たちが思っている以上に鼓膜は傷つきやすいのです。鼓膜が破れて穴が開くと、4日~2週間程度で回復しますが、後遺症や伝音難聴と呼ばれる障害を引き起こすこともあります。
最悪の場合、永久的に難聴状態になります。そこまで危険を冒して私たちが耳掃除をするメリットはゼロです。
耳の中には「何も」入れてはいけない
アメリカ耳鼻咽喉科組合は、とにかく何も耳の中に入れてはいけないと忠告しています。特に綿棒による被害はとても多いそうです。
正しい耳掃除の仕方
唯一掃除をしてもいいのは、外耳と呼ばれる外から見える耳だけです。手で触れる部分ですね。
それも特別なケアは必要なく、石鹸と水で洗い流すだけでいいです。ほとんどシャワーだけで呼ばれが落ちるので、わざわざ毎回石鹸をつけて洗う必要もないです。
余分な耳垢は自然に押し出される
耳の中の清潔はどうやって保たれているのかと言うと、溜まった耳垢は自然と外に押し出されています。つまり、耳の中を掃除する必要はまったくなしなのです。ビックリですね!
というわけで、耳掃除はこれからはもうしないようにしましょう。例外があるとすれば、耳の中に異物が入ってしまった時くらいです。