座っている時間が長い人ほど死亡リスクが高い
最近の研究によると、一日に長時間椅子に座り続けると肥満になったり病気にかかるリスクと死亡率がアップする!ということがわかっています。これはいくつもの研究結果から示されていまして、座り仕事が増えている現代では悩ましい問題であります。
座っている時間が長いことが健康に悪いので、なんとかして座る時間を減らすしか解決の手立はないという感じだったのですが、どうやら運動をすることでもこのリスクを減らすことができるようです。
今回紹介するのは、2014年に行われたアメリカ癌学会、クーパー研究所、テキサス大学の共同研究で、この論文によると運動をすることで座り仕事による死亡率を下げられる可能性があることがわかっています。
座りすぎで起こる7つの健康被害
アメリカ癌学会のケレム・シュヴァル博士が、1981年〜2012年間の1304人の活動量と死亡率との関係を調べたところ、椅子に座っている時間が長い人ほど次のような特徴があることがわかりました。
- 高血圧
- 総コレステロール値が高い
- 中性脂肪の数値が高い
- HDL(善玉コレステロール)が少ない
- BMIが大きくなりがちになる
- ウエストサイズが大きくなりがちになる
- 体脂肪率が高い
といった感じで完全に不健康な状態が見られました。これらの健康状態は椅子に座っている時間が長ければ長いほど悪化していました。とにかく座っている時間が多ければ多いほど、それだけ体に悪いのです。
座り仕事でも運動をしていれば大丈夫
しかし、これらのデータを運動量を組み込んで再調整し直したところ、上記のデメリットが打ち消されて、中性脂肪とLH比率(インスリン抵抗性の指標となる善玉コレステロールの数値)だけが、座っている時間と関係していることがわかったのです。
そして、椅子に座っている時間が長くても、メタボリックシンドロームになる割合は増加しなかったのです。つまり運動習慣が、座り続けることによるデメリット(主に肥満)を解消してくれるのですね。
中性脂肪とコレステロールは気をつけよう
しかし、いくら運動をしていても、座りすぎによる中性脂肪の増加とコレステロール比率の悪化は防げなかったということで、ここは注意が必要ですね。できるだけ座る時間を減らすことには越したことがないのです。
というわけで、座り仕事が多い人は運動習慣をきちんと取り入れることがより重要です。さらにできれば、長時間の着座は控えて、こまめに立ち上がって散歩をしたり軽い運動をすると良いです。