糖質制限ダイエットはしてはいけない?
何かと話題の糖質制限ダイエットですが、今回は研究論文をもとに糖質制限ダイエットのメリットとデメリットについて解説していきます。そのうえで糖質制限は正しいのかどうかを結論付けます。
先に結論を言ってしまうと、糖質制限ダイエットは健康に悪いのでやめたほうがいいです。健康的に痩せられるダイエットはほかにもたくさんあるので、減量したいのならそちらを行った方がいいです。
というわけで、これから糖質制限ダイエットの健康効果を詳しく解説していきます。
糖質制限ダイエットのメリット
糖質制限ダイエットは確かに痩せる
2014年に行われたワイオミング大学の栄養学者マイケル・リーブマン教授の研究によると、確かに低炭水化物で高タンパクな食事を摂るようになることで減量に効果があることがわかっています。
もともとタンパク質は食欲の暴走を食い止める効果があるので、栄養バランスを変えることでこのメリットを受けやすくなるのですね。
糖質制限で脂質の数値と血圧の状態も改善する
さらに、糖質制限ダイエットをすると、脂質の代謝機能が改善して、中性脂肪が減少したり善玉コレステロールが増加してくれるなどの健康効果があり、結果的に高血圧を改善してくれることもわかっています。
つまり、糖質制限にはダイエット効果と高血圧を改善する健康効果があるのですね。
と確かに、ここまでなら良かったのですが、糖質制限にはこれらのメリットを上回るほどの大きなデメリットもあるのです。
糖質制限ダイエットのデメリット
糖質制限ダイエットで病気のリスクが高まる
糖質制限ダイエットは摂取する炭水化物を大きく減らす食事法なので、健康維持に必要なフィトケミカルと食物繊維の摂取量が減りやすくなる傾向があります。
そうなると、心疾患、ガン、消化器官の障害の発症率を高めるリスクが出てきてしまうのです。まるでこちらを立てればあちらが立たず状態ですね。
糖質制限ダイエットで元気がなくなる
さらに、糖質制限ダイエットはグリコーゲンの貯蔵量を減らしてしまうため、どうしても日常の活動レベルを下げてしまうようにもなります。
つまり、体内のエネルギーがなくなるので、活力がなくなって行動する元気も出なくなってしまうのです。せっかく痩せても好きなことをする気力がなくなってしまえば元も子もないですね。
こうなると、もはや健康とは呼べない状態なので、多くの科学者は糖質制限ダイエットには否定的なのです。
糖質制限ダイエットは血管の状態を悪化させる
さらには、糖質制限ダイエットは、一般に悪玉コレステロールと呼ばれるLDLコレステロールの値が高くなる傾向があり、血管にダメージが蓄積して血管内皮機能不全を起こしやすくしてしまいます。
LDLコレステロールについて
LDLコレステロールは肝臓で作られたコレステロールを全身へ運ぶ役割を担っており、増えすぎると動脈硬化を起こして心筋梗塞や脳梗塞を発症させる原因となる物質です。糖質制限ダイエットをすると、これが増えすぎてしまうのです。
さらにこのLDLコレステロールが蓄積していくと血管が細くなったり、血管内に血栓ができて動脈硬化を起こし、心筋梗塞、狭心症、脳梗塞などの動脈硬化性疾患を誘発させてしまうリスクもあります。糖質制限は血管の健康にも悪いのですね。
というわけで、メリットもあるのですが、全体的に見て糖質制限ダイエットはデメリットが大きいのです。
健康的に痩せるダイエットはほかにある
痩せることを目的にするのならダイエット方法は糖質制限以外にいくらでもありますから、わざわざ糖質制限ダイエットを選んでリスクを取る必要はありません。
もちろん、糖質を摂りすぎな人はある程度の制限をするのが正しいのですが、そうでない人は特に制限をする必要はありません。研究でも糖尿病の人には糖質制限ダイエットは効果があると出ています。
なので、ダイエットで体重を落として痩せたい場合には、糖質制限ダイエットではなく、一日の食事のカロリーの量を気にして減量に励みましょう。