ストレスホルモン、コルチゾールとは?
今回はストレスホルモンの一種であるコルチゾールについて解説していきます。
コルチゾールは、私たちが強いストレスを受けたときに副腎から作られるホルモンです。コルチゾールが分泌されることで、肉体には次のような変化が起きます。
- 血糖値が上がる
- インスリンの分泌量が下がる
- アドレナリンが出て心拍数が上がる
- 出血に備えて血管が縮小する
- 全身が緊張してテンションが上がる
これは俗に言われる闘争逃走反応です。つまり、コルチゾールはストレスや外敵に対して闘争心を上げる働きを持っているのです。この機能があるために私たちを外敵から身を守ることができるのです。
ストレスホルモンといっても、ただ体に悪いものというわけではないのですね。
コルチゾールが増えやすい現代生活
しかしこのようなホルモンの作用は、短時間でストレスや外敵に対処するのであれば役に立つのですが、長時間続くと肉体に異常が出始めてしまいます。
原始時代と違って現代のように特に生活のペースが速い暮らしの中では、混乱した副腎が常にコルチゾールを出してしまい、そのせいで健康的な問題を抱えることになってしまうのです。
コルチゾールが起こす5つの健康問題
コルチゾールが慢性的に分泌されることで起きてしまう健康問題には、主に次の5つがあります。
- 高血糖になり糖尿病にかかりやすくなる
- 体重が増加して肥満になりやすくなる
- アレルギーが悪化すると同時にがんになりやすくなる
- 心臓病のリスクがアップする
- 老化のスピードが速まってしまう
順番に解説していきます。
高血糖になり糖尿病にかかりやすくなる
コルチゾールには血糖値を上げる作用があるので、慢性的に分泌されていると高血糖の状態が続くことになり、やがて糖尿病になってしまいます。
体重が増加して肥満になりやすくなる
コルチゾールには内臓脂肪を増やす働きがあります。また空腹感を抑制しているインスリンが減ることで強い空腹感を感じるようになり、食べ過ぎに繋がってしまうのです。
アレルギーが悪化すると同時にがんになりやすくなる
ストレスホルモンと呼ばれていますが実際にはコルチゾールはストレスを鎮めるためのホルモンであり、体内の炎症を和らげる作用を持っています。
しかし、炎症を抑えると同時に免疫の働きも抑えてしまうので、アレルギーが悪化したり、癌が生まれやすい状況になってしまうのです。
心臓病のリスクがアップする
コルチゾールには血管を収縮する作用もあるので、この状態が慢性的に続くと高血圧になって血管がボロボロになってしまいます。
老化のスピードが速まってしまう
コルチゾールが多い状態が長く続くことで、脳みそから神経物質の一種であるサブスタンスPと呼ばれるものが出るようになります。すると、細胞に激しい炎症が起こるようになり、肌や臓器がダメージを受けて老化してしってしまうのです。
つまり、慢性的にコルチゾールが分泌されることで体内で炎症が起きるようになり、健康が損なわれていくのです。
コルチゾールが増える原因
以上のような問題が起こるので、慢性的なコルチゾールの分泌は防がなくてはいけません。最後にコルチゾールが増える原因を押さえて対策を取っておきましょう。
コルチゾールは、トランス脂肪酸、オメガ6脂肪酸を摂取すること増えることがわかっています。さらにはカフェインの摂りすぎ、アルコールの飲み過ぎ、砂糖の食べ過ぎも原因となります。
また、食物繊維不足のほか、運動不足、睡眠不足といった状態もコルチゾールを増やす原因になってしまいます。簡単に言うと、体に悪いことするとコルチゾールが増えてしまうのですね。
ストレス対策も大切
またコルチゾールが増える主な原因は慢性的なストレスです。ストレスをほったらかしにしておくと、コルチゾールが常に分泌されてしまいます。
なので、以上のことに気をつける以外にも、ストレス対策もバッチリと取っておきましょう。