ネガティブだと成功しないは嘘
私たちは、ネガティブな性格でいるよりもポジティブな性格でいる方が成功しやすいと思いがちです。しかし、数々の心理学の研究結果から、実はこの考えは間違いであることがわかっています。
研究では、性格がネガティブであろうとポジティブであろうと仕事の成績には違いが出ないことがわかっています。ネガティブかポジティブかという性格の違いは関係ないのです。
ネガティブな人が成功できる理由
ネガティブな人がポジティブな人と同様に成功しやすいのは、彼らがきちんと考えて行動するからです。
ネガティブな性格の人はいつも最悪のケースを想定してから動くため、必要な準備をきちんとしてから実際に手を動かし、仕事を始める傾向があるのです。
ネガティブな人は自分の性格や考え方に合わせて戦略を練っているので、逆に彼らに「ポジティブになろう!」とアドバイスをしてしまうと、途端に物事がうまくいかなくなってしまうようになります。
不安を煽ったほうがやる気が出る
少し古い実験なのですが、1996年にアメリカのマイアミ大学に勤めるステイシー M スペンサー博士が、ネガティブな人に最適な戦略を調べたものがあります。
この実験では、被験者たちにダーツ投げをしてもらったのですが、実際にダーツを投げる前にネガティブな性格人に「ダーツの的を外す自分の姿」を想像させてからプレイしてもらったのです。
すると、かえって成績が上がりゲームの点数が30%も良くなったのです。ネガティブな人は不安を感じることでモチベーションを上げられるのです。
不安を取り除くと能力が落ちる
逆にネガティブな人がリラックスできる環境で作業を行うと、不安を感じない分だけやる気も下がって、結果的にパフォーマンスが下がってしまうのです。
つまり、大事なのはネガティブな性格かポジティブな性格かということではなく、自分の性格に合った最適な戦略を取っているかどうかということなのですね。
不安感を使ってモチベーションをアップさせる
それぞれの性格では能力を発揮できる条件が異なるために、ポジティブな人のアドバイスが必ずしもネガティブな人の役に立つわけではありません。むしろ逆効果になってしまう場合もあります。
というわけで、自分の性格に合わせて、不安感を意識したり取り除いて、うまくモチベーションを調整してみてください。