終わりを決めることで生産性アップ
仕事というのは終わりを決めないといつまで経っても終わりません。
やるべきこともやりたいこともあなたの身近に溢れており、自分で調節しない限りは常に何かのタスクを抱えることになってしまいます。
そこで役立つのが逆算的スケジュールテクニックです。
例えば、普段の仕事であれば、17:30という仕事終わりの時間を設定し、その締め切りに合わせてタスクをスケジューリングすることで、やるべきことを自分でコントロールし、仕事に忙殺されてしまうことを防ぐことができます。
固定スケジュール生産性とは?
このように先に締め切りや終わりの時間を決めて作業をコントロールする方法を「固定スケジュール生産性(fixed schedule productivity)」と言います。デッドラインテクニックと似ていますね。
このテクニックは効率と生産性の研究で有名なジョージタウン大学のカル・ニューポート博士によって提言されました(ちなみに最後に紹介していますが彼の新著が出ています)。
この方法では、まず最初に理想的なスケジュールを決めてから、そこにすべてを合わせるために作業配分を逆算するのです。
退社時間を守るためには非情な決断が必要不可欠
また、この過程では、やるべきことを削り、人からの誘いを断り、連絡を無視したり制限し、あまり効果のない作業を切り捨てるという非情な作業を行います。
つまり、スケジュールを守るために不必要なことは省き、最低限のことだけに集中するのです。
一見すると簡単なように思えますが、固定されたスケジュールを実現するためには、突発的に起こる出来事や仕事の障壁となるものをその場で瞬間的に解決しなければならず、非情な決断を迫られることになります。
これができずに仕事が増えたり、仕事をしていない時間が増えてしまい、計画通りに事を進められず退社時間も守れなくなるのです。
新しいことを始めるときにはとにかく「簡単なこと」から始めるようにすると良いです。新しいことや好きなことを始めるときは目標を高くしがちになるのですが、これはストレスや不安の原因になります。
計画が行動に移せないときには、もっと気が楽な作業から取りかかるようにしましょう。
— 心理学を解説する ちょっぺ〜先生 (@kruchoro) 2020年7月17日
スケジューリングはストレスを下げる
また、自分で計画したスケジュールを順守することは、仕事での燃え尽き症候群を防ぐことにも役立ちます。
計画通りに仕事が進むことで、状況を自分でコントロールできていると感じられて、ストレスレベルを下げることができるのです。
参考文献と新著情報
大事なことに集中する―――気が散るものだらけの世界で生産性を最大化する科学的方法 単行本(ソフトカバー) – 2016/12/9 カル・ニューポート (著), 門田 美鈴 (翻訳)
超没入: メールやチャットに邪魔されない、働き方の正解 単行本(ソフトカバー) – 2022/5/24
カル・ニューポート (著), Cal Newport (著), 池田真紀子 (翻訳)