座り方を変えると同時に気分も変わる
もしも今あなたがすでに落ち込んでいて暗い気分になっているなら、背筋をまっすぐに伸ばすことでその気分を改善させることができます。
2015年にニュージーランドにあるオークランド大学心理医学科のシュヴェータ・ナイル博士、ネイサン・コンセダイン博士らによって行われた研究によると、背筋を伸ばして姿勢よく座っている人は、がっくりと肩を落として座っている人よりも、ネガティブな言葉を言わない傾向があることがわかりました。
これは大きなストレスを感じている状況にあっても同じです。私たちは自分の姿勢をコントロールすることでストレスに太刀打ちできるようになるのです。
姿勢を良くするだけで元気で幸せになる
研究では74名の人々を集めて、落ち込んだ姿勢で座ってもらうグループと背筋を伸ばした状態で座ってもらうグループに分けてから、ストレス、気分、自尊心などを測るためにスピーチテストを受けてもらいました。
すると、姿勢良く座っていた人たちは、落ち込んだ姿勢で座っていた人たちと比較して、テスト後の自尊心が高く、活発で、気分も良く、恐怖心が低かったのです。
丸まった姿勢はネガティブな感情と言葉を増やす
スピーチの内容を分析した結果、落ち込んだ姿勢で座っていた人たちは、ネガティブな感情を表す言葉、自分を表す一人称の代名詞、感情的な言葉、悲しみを表す言葉を多く使用し、ポジティブな感情の言葉と言葉の総数が少ないことが明らかになりました。
背中を丸めた姿勢で座っていると、ネガティブかつ自己中心的な思考が増し、それが態度にも出て口数も減ってしまって、悲しみが堂々巡りのような状態になるのです。
姿勢を良くすることで自信と会話量が増える
ストレスを感じることに直面したときにまっすぐに姿勢を整えることで、自尊心を維持し、ネガティブな気分を軽減し、ポジティブな気分を高めることができるのです。
さらに正しい姿勢は発話率を高め、自分に過剰な注意が向いて抑うつ的な気分にならないようにさせてくれます。つまり結果的に孤独な状況に陥ることも回避してくれるのです。
ストレスに強くなりたいなら姿勢を良くしよう
研究者は、背筋を伸ばしてまっすぐの状態で座ることが、ストレス耐性を高めるための効果的で簡単な戦略であると結論付けています。逆に猫背は心理学的にも良くないのです。
というわけで、歩くにしても座っているにしても、姿勢をまっすぐにすることで感情をコントロールして幸せな気分を味わうことができるようになります。元気になりたいときは試してみてください。