人が悩んでしまう心理的な理由
何か問題が起きたとき、きちんと考えられてその原因を究明し対策が立てられる場合は問題ありません。
また対策とは呼べないかもしれませんが、どうしようもないと諦められるのならそれもまた精神衛生上は問題ありません。
ここでまずいのは抱えている問題についていつまでもクヨクヨと考えてしまうことです。この場合本人は考えているつもりでも実は対策については何にも考えていなかったりします。
頭の中で同じ場面や体験を何度も反芻してただ悩んでいる状態です。悩んでいる状態というのは一般的には心地の悪いものだと思われているのですが、実は悩んでいる本人からしたらきちんとメリットがある行為なのです。
悩むことの心理的メリット
それは悩んでいる問題に対して答えを出さなくてもいいということです。
自分で答えを出さなくてもいいので、選択肢を間違えてさらなる苦しみに自分から突っ込んでいくこともなくなるというメリットがあるのです。
問題が立て続けに起こる方が悩んでいる人にとっては大きなマイナスだと捉えられます。なので悩んでいるときでも、答えを出さなくてもいいことにある意味安心してしまうのです。
悩むことの長期的なデメリット
しかし、こういう状態の時は自分の間違いを認めているようで実は認めきれていないのでストレスが溜まります。
短期的に見ればこうして安心感を与えてくれて問題が遠ざけてくれる苦悩も、長期的に見ればそれ以上の苦しみがやってくる別の問題に変わってしまいます。
原因を突き止めて対策を立て行動することは大変なのですが、不安やストレスの原因は放っておくと雪山を転がり落ちる雪だるまのようにどんどん大きくなっていってしまうのです。
楽観的すぎると悩んでしまう?
またこれも私たち人間の特性なのですが、私たちは今の自分よりも未来の自分の方が能力が高く、人としても徳の高い行動を取る勇気をを持ち合わせているものだと考えてしまう楽観的な思い込みを持っています。
それゆえに将来問題が大きく膨れ上がっても未来の自分がなんとか解決してくれるだろうと高をくくってしまい、問題を先延ばしにし放置しがちになってしまうのです。
しかし未来の自分に大きな仕事を託すなら、今からそれ相応の努力や準備をして成長し続けなければいけません。いつまでも同じことで悩んでいる自分に気がついたら、自分は安心感を得るために問題を先延ばしにしているのだと自覚して行動していきましょう。