なぜ正論は役に立たないのか?人が攻撃的になってしまう批判と誹謗中傷の心理学

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嫌いと言われたら嫌いになる心理

好きだと言われると相手のことを好きになるように、嫌いだと言われると相手のことを嫌いになる心理が存在します。

 

厄介なことにこれは仕事上の意見のぶつかり合いや考え方の相違であっても生まれてしまう心理です。

 

自分の意見と違ったり、自分の考えに対して否定的な意見を言われると相手のことを敵だと勘違いしてしまうようになるのです。

 

とにかくただ否定する人は嫌われる

アメリカのパーデュー大学のロバートバロン博士は、相手の意見を批判することによって、どの程度の敵意が批判された人たちの中に生まれるものなのかを調べるために心理実験を行いました。

 

実験では、2人1組のグループを作り、お互いがマーケターになったつもりで新製品について話し合うと言う内容でした。

 

しかし、実はパートナーの1人はサクラで、相手との交渉の最中に建設的な批判をするか、破壊的な批判をするか事前に割り当てられていました

 

建設的な批判では、例えば「もっとパッケージに凝ってみない?」「まだ改善の余地はあると思うな」といった内容です。
破壊的な批判は、例えば「君はだめな意見ばかりを出すな」や「君の意見には心が動かされない」といった言われたら相手が傷つくような意見を伝える内容でした。

 

すると予想通り、破壊的な批判の後は相手からの敵意が高まりました。当然ですね。私たちは自分の意見や人格が否定されると、相手を自分の敵だと思うようになるのです。否定的な意見を相手に伝える時には工夫が必要なのはこのためです。

 

まぁこれはわかりやすい結果だと思います。恐ろしいのは次の真実です。

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相手の意見が合理的なものであっても否定されると相手に敵意を覚える

この実験で被験者が感じた敵意を数字にしてみると、建設的な批判と比べて実験参加者は1.5倍も多くの敵意を感じていました。具体的には、建設的な批判が約2.9ポイントの敵意で、破壊的な批判が約4.4ポイントの敵意という結果でした。

 

そう、この数字を見ても分かる通り、たとえそれがまともな意見で建設的な批判であっても、私たちは自分と意見の違う相手に敵意を感じてしまうのです。

 

この結果から、どうやら建設的な批判であっても私たちは相手に敵意を感じてしまうこともわかりました。なかなか率直的な意見が伝えられなかったり改革や改善が進まないのはこうした心理的な配慮があるからなのでしょう。

 

それがたとえ合理的に正しい発言であっても、無意識のうちに相手は傷ついて否定的な意見を言った人に敵意を感じてしまうのです。難しいですね。

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ただ正しいことや正論を言うだけではダメな理由

SNS上でもただ意見を言っているだけなのに不特定多数の人たちの反感を買って叩かれたりするといった現象が起きますが、これも自分とは違う意見を目にすることで自分が攻撃されているように感じるからでしょう。

 

自分の意見とは異なる意見、それも対立的な構造にある意見が人気を集めているを見かけると、自分が攻撃されていると感じる心理構造があるために感情的になってしまい、その勢いで相手を誹謗中傷してしまうのです。

【頑固頭の心理】人が頑固で極端な意見に執着心を持ってしまう心理的な理由を解説
 

 

https://twitter.com/kruchoro/status/1075733555437858816

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建設的な話し合いをするための感情コントロール

こうした否定の心理が働いてしまうので、他者が自分とは違う意見を言っている時には、攻撃の意思はないのだと自分の中で再認識する必要があります

 

そうしないと建設的な話し合いはできなくなってしまうので、あなたにとっても損です。

 

現実的な場面でもネット上でも、自分と違う意見を見つけたら、自分の意見を補強するためのチャンスだと捉えて客観的に話を聞くように意識しましょう。そうすることであなたの心の平穏も守られますからね。

 

こうしたちょっとした心がけが感情のコントロールには大切です。

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的はずれな批判をされると相手に敵意を感じるようになる
さらにたとえ建設的な批判であっても相手に敵意を感じてしまう
異なる意見を相手に伝えるときには前置きの言葉に工夫を凝らそう
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