仕事の給料がアップする心理学
これまでに何度か上司への取り入り方やゴマスリの心理効果についての研究を話してきましたが、今回はそこにさらに給料アップに繋がる具体的な行動や上司へのアピールの方法を紹介した研究を加えて話していきます。
給料を上げて欲しいと思っている人(おそらく全人類)は、今回の心理テクニックを参考に会社の上司に自分の存在をアピールをしてみてください。
今回の研究結果は実際に会社の給料のアップに繋がった行動について調べたものです。なので、それだけリアルな結果が出ています。
給料が上がるようになる5つの行動
テキサス州立大学ビジネス学科のサム ゴールド博士とラリー ペンレー博士が電話帳で調べた800社、5000名の調査によると、次の5つの行動が給料アップにつながっていたことがわかりました。
- 上司と同じスーツを着る
- 上司と同じ趣味を持つ
- 上司の興味に関心を持つ
- 上司に教えを乞う
- 上司の目の前で仕事を頑張る
内容としてはどれもゴマすりに近い行動ですね。嘘だとわかっていても私たちはゴマすりには弱い心理を持っていますのでそういう意味でも効果があるテクニックです。
それでは順番に解説していきます。
上司と同じスーツを着る
これはかなり露骨なアピール方法ですが、相手と同じ格好をしたり同じものを所有することで好感度を上げることができます。
中でもビジネスマンの場合は自分と同じメーカーだったりブランドだったり似たようなデザインのスーツを着ている人を見ると仲間意識が芽生えやすいのです。
私服がかぶると複雑な気持ちになりますが、仕事着やユニフォームというイメージであるスーツの場合はブランドが同じだったりデザインに類似点があると仲間意識を覚えやすくなります。
また私たちは尊敬する人や好きな人の格好を真似るという特性を持っていますので、自分と同じ物を所有している人を見ると自分の影響力の大きさが確認できて嬉しいのです。
例えば、著名人や有名スポーツ選手が使っているという宣伝文句があるだけでも、私たちは彼らと同じものが欲しくなります。相手と同じ格好をしたり同じ物を使うということはそれだけで好感を持っているというメッセージを相手に伝えることができるのです。
なので、「同じ格好はちょっと」という人は上司と同じアイテムを使うようにすると良いです。
上司と同じ趣味を持つ
これも同じ格好をするという心理と似たもので、同じ趣味を持っているとお互いに親近感が湧いて仲良くなれます。
さらにはそれだけではなく、共通の話題ができることでコミュニケーションを頻繁に行えるようになり、こちらの好感度を高める機会に恵まれるようにもなります。
好きなことについて話すときには誰でも上機嫌になるものですから、そんな心地良い気分にさせてくれる相手にも自然と良い印象を持つようになるのです。心理学ではこれを連合の法則と呼びます。
いつも言っていますが、コミュニケーションの基本は共通点探しなので、その基本を押さえるという意味でも趣味の共有は絶大な効果を発揮してくれるのです。
上司の興味に関心を持つ
相手の関心ごとにこちらも興味を持つようにすると、相手を大事に思っているということが間接的に伝わるようになります。
さらに、すでに相手が好きだと公言しているものに対してだけではなく、新しく関心を寄せるようになったものや少し気になっているものについて話を聞いてあげることで、相手の新しい一面に気づけるようになりますし、好感度も上がりやすくなります。
そうした相手の個人的な側面について情報共有をすることで心理的な距離を近づけることができるようになるのです。傾聴スキルの一種ですね。自分が気になっていることについての話を聞いて共感してもらうのは誰でも嬉しいものなのです。
上司に教えを請う
上司に仕事の相談したりノウハウや有益な情報を教えてもらうことで、こちらの印象を良くすることができます。
一見すると、教えを請うことは自分が無能だと示して評価を下げてしまう行為にも思えますがそうではありません。
実は私たちには自分が可愛がった相手、手を焼いた相手ほど大切に思う心理があります。これは認知的不協和の心理というものです。
「これだけ自分が世話を焼いているんだから、自分はこの人を好きなのだ」と思うようになるのです。
この心理があるので、上司にお願い事をしたり教えをもらうことがこちらの好感度を高めることにつながるのです。
また、何かを教えてもらうということは「それだけ才能を認めている・尊敬している」という間接的なメッセージを伝えることにもなります。そうして好意的なメッセージを上司に対して伝え続けることが大切なのです。
上司の目の前で仕事を頑張る
シンプルなアピール方法ですが、意外と効果があるのが「上司がいる目の前で一生懸命仕事を頑張る」ということです。
一生懸命な姿勢を見せることでやる気があるということをアピールできて昇給のために評価に繋がります。もちろん結果も必要ですが、成果に対して「確かにあれだけ努力しているからな」と相手に思わせることができれば勝ちです。
つまりただ結果を出すだけではなく、その結果がより良く見えるように見た目の演出も施してあげるという感じです。
例えば、練習もせずに良い成績を取った子供より、一生懸命勉強してその成果が実って成績が上がった子供の方がご褒美をあげたくなりますよね。これと似たような心理が働くのです。
上司との共通点、類似性を見つけて強化しよう
という感じで給料アップの方法について解説してきましたが、見ての通りこの研究では「自分と似た人たちを好む」という類似性の法則の影響力が強いことがわかっています。
やはり上司という仕事の上下関係であっても自分と似た相手に対しては好印象を抱きやすいようです。上司とか部下とか管理職とか立場に関係なく、自分と似た相手に対して評価が甘くなるのが人間の心なのです。
「相手と同じことをして、同じ趣味を持て」という類似性を使ったテクニックは人と仲良くなるための必須のテクニックですが、これはどんな場面でも効果を発揮してくれるのです。
人間関係に困ったら共通点探しが基本
単純なアドバイスですが、人間関係に困ったら共通点探しというのが心理学的には一番良い解決策です。
今回は会社の人間関係を調べた研究でしたが、この共通点探しは恋愛でも使えるコミュニケーションテクニックの一つです。相手に良い印象を与えてこちらの評価を上げるためにはこれら5つのテクニックがおすすめです。
今回のテクニックを練習して、意識しなくても自然と使えるようになりましょう。すると、人間関係でストレスを感じるようなことが減っていきます。