頑固な人を説得するのは本当に難しい
世間で言われているように心理学の世界でも、思い込みや偏見を持っている頑迷な人を説得するのは難しいとされています。
情報を客観的に評価できない人は、自分が聞いた話を一番重要だと考え、人の話に耳を傾けません。彼らはそもそも自分の信じる情報とは違う事実が存在するかもしれないという可能性を考えていないのです。
この心理のために、偏見を持つ人の意見を変えさせたり説得させることは難しいのです。なので多くの賢人や科学者は、一般的な話し合いとは違う方向から問題解決に挑んだり説得を試みるように推奨しています。
思い込みの強い人は話を聞かない
アメリカのエール大学で心理学を教えているノーマン ミラー教授は、800名の高校生を対象に考え方を変えさせる方法についての実験を行いました。
ます最初に学生たちに思い込みと偏見のレベルを調べる性格テストを行ってもらいました。その後で彼らを説得をするためにスピーチを聞いてもらい、彼らの間でどのくらい自分の考えが変化するのかを実験しました。
すると、やはり思い込みの強い人ほどスピーチによる説得を受け入れないことが判明しました。
「こうに違いない!」という自分の考えに対する思いが強く、頑固な人ほど相手の話に耳を傾けてくれないのです。
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偏見を持っている人は20倍も説得するのが難しい!
実験の結果によると、偏見を持っている人はそうでない人に比べて、説得することが20倍も難しかったことがわかりました。かなり大きな差が出ましたね。
つまり、公平的な考え方を持つ人たちや話を聞いてくれる人たちを20人説得させることができる間に、頑固で思い込みが強い人が相手の場合はたった1人しか説得を成功させることができないのです。
こうしてみると、頑固な人を説得するのはかなりコスパの悪い作業ですね。頑固ではない人たちと比べると、その費用対効果がたったの5%までに下がってしまうのですから。
例えば、売上や給料が今の5%までに下がったら発狂ものですよね。つまりできるなら、頑固な人たちは放っておくに越したことはないのです。
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頑固な相手を説得するときの方法
しかし、相手が権力を持つ人や上司だった場合など、どうしても説得しなければいけない相手になってしまうこともあります。
ただそのような場合であっても、合理的な話し合いをしたりデータを見せたりというようなまともな説得を試みてもうまくいかない可能性が高いですし、時間もかかってしまいます。なにせ費用対効果が5%ですから。
なので、こういった思い込みが強い相手や自分の意見を変えにくい頑固な相手には、まずはお互いの共通点を見つけてこちらに対する警戒心をほぐしてから本題に入ったり、お互いにとって共通の課題を解決するように話をしていくことが大切です。
まずは心理的に近づいて心の壁を崩すところから始めるのです。
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頑固な人は頼りにされると弱い
他の心理学の研究から、頑固な人ほど自分に自信があるので人に頼られることが好きだということがわかっています。この心理傾向を利用して感情面から相手の協力を試みるのです。
「頼りがいのあるあなたの助けが必要です」というメッセージを伝えることで、頑固な人はこちらの味方につけることができます。
そうして心理的な距離を縮めたら、こちらの意見を少しずつ取り入れてもらうように提案します。
仲良くなればなるほど私たちは相手のお願いを拒否しづらくなるという心理を持っていますので、まずはこの状況をつくっていくのです。
頑固な人は心を開いたら強力な味方になる
頑固で偏見を持つ人ほど一度信じたことや信じた相手をとことん信じるという性質があります。
この性質をうまく利用することで、仲良くなったあとは話がスムーズに進みやすくなるのです。意見を変えにくい相手の心理を逆手に使うのです。
というわけで、そばにいる頑固な相手にはぜひ一度このテクニックを試してみてください。
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