話し方で心をコントロールする方法
数々の心理学の研究データから、話し方一つで相手に伝わるこちらの印象は変わってくることがわかっています。
世の中には優しい伝え方もあれば高圧的な話し方もありますが、これらの話し方の違いで相手の気分を良くしたり、話している内容の理解度を上げることができます。
つまり、話し方を相手の気持ちに合わせてコントロールすることができれば、相手の好意を勝ち取ることもできますし、説得力を向上させて交渉を有利に進めることもできるのです。
相手の性別で話し方を変えた方が良い理由
そしてこうした会話における説得力というのは仕事の交渉ごとに限らず、プライベートの人間関係でも大切です。
日常的に行うよくある会話であっても、話し方に説得力がある人はそれだけ人からも好かれやすく信頼も得ることができますから、幸せにもなりやすいのです。
しかしこの話し方なのですが、男女という性別の違いによって、好感の持てる話し方も変わってくることがわかっています。
男性にはこの話し方の方が好かれる、女性ならこういうふうに伝えた方がいいというようなアドバイスを聞くことがあるかと思いますが、これは心理学的にも正しい区別の仕方なのです。差別を助長しているわけではないのですね。
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男女でスピーチに対する反応が違った!
では、男女の違いでどのように話し方を変えればうまくいくのでしょうか。アメリカで行われた研究データを参考に見てみましょう。
アメリカ、メリーランド大学のスタンレー フェルドスタイン博士は、集まった実験参加者の人たちを男性と女性のグループに分けて、それぞれのグループにスピーチを録音したテープを聞かせて反応を見るという実験を行いました。
このとき参加者たちに聞いてもらったテープは、スピーチの速度を6段階に分けて聞いてもらいました。
スピーチの速度を数字で表すと、1番速く話しているものは1分間に200語、1番ゆっくりのものでは1分間に100語という設定になっていました。一番速いものと遅いものでは速度が倍違うことになります。
ちなみに英語なので少しわかりにくいのですが、一般的な英語の会話だと100~150語くらいだと言われています。200語だと「早口だな〜」という感覚です。
さて、そして被験者の人たちにそれぞれの速度のスピーチを聞いてもらったあとでスピーチに対する感想と評価をしてもらいました。
すると、男性と女性とでは好感の持てる会話のスピードが違うことがわかったのです。
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男性は早口、女性はゆっくりが好き
結果を比べてみると、男性の聞き手の場合ではスピーチの速度が速い方が好感度が上がったのに対し、女性が聞き手の場合ではスピーチの速度は遅い方が好感度が上がる傾向がありました。
つまり、会話やスピーチをする相手が男性の場合は話し方を速めにし、相手が女性の場合はゆっくりと落ち着いた感じで話すことによって、それぞれ相手により良い印象を持たせて評価を高めることができるようになるのです。
この実験結果には、世間一般でよく言われる「男性は結論重視・女性は寄り道重視」という男女の会話の違いと似ている点がありますね。
男性は結果、女性は過程を大事にする
心理学的に見ても男性は結論や解決策を求める効率的な会話をする傾向があります。なので、どんな目的で何について話しているのかを明確にしたり先に結論を伝えるコミュニケーションを好みます。
それに対して女性は会話の過程を楽しんでいます。結論ありきの話し合いや情報伝達ではなく、様々な方向に展開していくコミュニケーション自体を楽しんでいるのです。
この会話の好みの違いがあるために、男女のすれ違いが会話で起きてしまうのです。
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男女のすれ違いを最小限に抑える会話術
よくあるのが、女性は話を聞いてもらいたいだけなのに、話を聞く男性は解決策を提示したり説教を始めたりしてしまうというものです。
これは男女の会話の目的の違いによる典型的なすれ違いの例ですね。ただし、よくある問題なのでそれだけ解決もしやすい問題です。この場合は相手が異性の時にはこの感覚の違いを意識して会話に挑んでいきましょう。これだけで不満を持つことも減って、お互いのすれ違い状態が改善できます。
というわけで、今回の研究データを参考に、人と話すときやプレゼンテーションをするときは相手の性別に合わせて会話のスピードを調整してあげましょう。
基本的には、相手が男性の場合は結論を伝えることを前提とした速めの会話を意識し、相手が女性の場合は会話の過程を楽しむようにゆっくりめの会話を意識しましょう。
男性は早口になりがちで女性は遅くなりがちかも
またこの男女の好みがあるために自然と、自分が男性の場合は話し方が速くなってしまう傾向があり、女性だと逆に遅くなってしまっている可能性があります。
なので、異性と話すときは自分の性別を基準に、男性ならよりゆっくり、女性ならより速く話すことを意識すると良いです。