【内向性】アイゼンクの覚醒理論と内向型の人が一人のときにしていることの解説

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内向性レベルを決める覚醒理論とは?

 

今回は「内向性」についての解説の続きです。

 

人格や遺伝に関する研究で有名な心理学者のハンス・アイゼンク博士の外向性に関する覚醒理論によると、ほとんどの人たちは外向的でも内向的でもないとされてきます。

 

博士によると、人口の15%の人はセットポイントが小さく、低い覚醒レベルを持っています。覚醒レベルの低い彼らは興奮しにくい人たちです。つまり、外向的な人たちですね。

 

また、同じく人口の15%の人はセットポイントが高く、高い覚醒レベルを持っています。覚醒レベルの高い彼らは興奮しやすい人たちです。つまり、内向的な人たちです。

 

そして、残りの70%の人たちはそれらの中間に位置しています。だいたい2割くらいの人たちが覚醒しやすいタイプであるというところは、HSPなど他の研究結果が示す割合とも同じですね。

 

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覚醒レベルによる情報処理方法の違い

 

博士の理論によると、内向的な人はもともと覚醒レベルが高い人たちです。これまでもいくつかの記事で話してきた通り、内向性の高い人ほど少しの刺激で興奮してしまうのです。

 

内向的な人は慢性的に高い覚醒レベルを経験する傾向があるため、過剰な刺激から逃れられるような活動や環境を求める傾向があるのです。

 

また、彼らは覚醒レベルが高いため、より注意深く物事を観察することができ、外部の刺激や環境からより多くの情報を取り込むことができます。

 

別の言い方をすると、情報過多になりやすいのです。だから内向的な人はさまざまな可能性を考えて、いっぱいいっぱいになってしまうのです。

 

さらに、ボン大学(ドイツ)の研究では、人によって覚醒レベルに違いがあらわれるのは、興奮を引き起こす脳内ホルモンのドーパミンの感度が遺伝子によって異なるからということもわかっています。

 

 

内向的な人は一人で何をしているのか?

 

内向的な人は取り入れた多くの情報を、一人きりになれる場所にこもることで処理をしたり反省して振り返る機会を得ています。

 

つまり、内向的な人は情報を取得する量が他の人よりも多いため、一人の時間を作ることでそれらをあとから処理しているのです。

 

彼らは単に一人でいるときにエネルギーを回復してるだけではなく、学習したことをまとめたり考察したり再評価して、頭の中の情報を整理しているのですね。

 

だからこそ、内向的な人は外向的な人よりも一人きりで過ごす時間を多く必要とするのです。

 

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参考論文

 

Mitchell, R. L. C., & Kumari, V. (2016). Hans Eysenck’s interface between the brain and personality: Modern evidence on the cognitive neuroscience of personality. Personality and Individual Differences, 103, 74–81. 

https://doi.org/10.1016/j.paid.2016.04.009

Dimensions of Personality ペーパーバック – 1997/1/30 英語版  Hans Eysenck (著)

https://amzn.to/3HJK0fg

Cohen MX, Young J, Baek JM, Kessler C, Ranganath C. Individual differences in extraversion and dopamine genetics predict neural reward responses. Brain Res Cogn Brain Res. 2005 Dec;25(3):851-61. doi: 10.1016/j.cogbrainres.2005.09.018. Epub 2005 Nov 11. PMID: 16289773.

https://doi.org/10.1016/j.cogbrainres.2005.09.018

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