【性格診断】人の性格を調べるテストとして有名なビッグファイブ性格特性について解説

この記事は約8分で読めます。

f:id:kruchoro:20211102040311j:plain

 

 

ビッグファイブ性格特性とは?

 

現代の人格心理学者の多くは、人間の性格には5つの基本的な特性に分類できると考えており、これらの人格特性の総称はしばしば「ビッグファイブ(Big Five personality traits)」とまとめて呼ばれています。

 

ビッグファイブの5つの特性とは、外向性(Extroversion)、協調性(Attagableness)、開放性(Openness)、誠実性(Conscientiousness)、神経症傾向(Neuroticism)の5つの性格特性のことを指し、開発された1980年代以降から使われています。

 

最近はこうした言葉を使う人も増えてきたので、どこかで聞いたことがある人もいるかもしれません。私もほかの記事やTwitterで使っていますので、読者の人はすでに知っているかもしれません。

 

今回はあらためてこのビッグファイブ性格特性について解説していきます。

 

細かい部分の意味は文献により少し異なる

 

ビッグファイブとは、私たちが持つ性格特性を大まかに分類にしたものです。

 

この性格の5因子モデルを支持する文献は数多くありますが、各特性の正確な部分については研究者の間でも意見が一致していないところもあります。

 

また、日本ではマイナーな呼び名ですが、それぞれの頭文字をとって、OCEAN(オーシャン)モデルやCANOE(カヌー)モデルとも言われます。

 

kruchoro.com

 

性格の半分は遺伝で決まる

 

ビッグファイブでは、5つの性格因子のそれぞれが、2つの極端な特徴のあいだの範囲を表しています。

 

例えば、外向性は、極端な外向性と極端な内向性の間の連続性を表しています。また、ほとんどの人はそれぞれの性格的特徴の両極のあいだにあるところに位置しています。

 

双生児を対象にした研究などから、個人のビッグファイブ特性の約半分が遺伝的理由に起因し、半分が環境的理由に起因することがわかっています。

 

ほかの研究では、誠実性、外向性、開放性、神経症傾向は、中年から老年まで比較的安定していることもわかっています。

 

つまり、協調性以外のこれらの特性は変わりづらい、もしくは変わってもまた元に戻りやすいのです。

 

5つのカテゴリーの特徴は、それぞれ、通常では次のように説明されます。

 

 

 

開放性とは?

 

この特性は、想像力や洞察力といった特徴を持っています。 また、この特性が高い人は、幅広い興味を持つ傾向があります。

 

世界や他の人々に好奇心を持ち、新しいことを学び、新しい経験を楽しみたいと思っています。

 

この特性が高い人は、より冒険的で創造的な性格になる傾向があります。

 

一方で、この特性が低い人は、伝統的な考え方をすることが多く、抽象的な考え方が苦手な場合があります。

 

kruchoro.com

 

開放性が高い人の特徴

 

  • 非常にクリエイティブ
  • 新しい挑戦に対して寛容
  • 新しいことへの挑戦に集中している
  • 抽象的な概念について考えるのが好き

 

開放性が低い人の特徴

 

  • 変化を嫌う
  • 新しいことが好きではない
  • 新しいアイデアに抵抗がある
  • あまり想像力がない
  • 抽象的、理論的な概念を嫌う

 

誠実性とは?

 

この性格特性が持つ特徴として、高いレベルの思慮深さ、優れた衝動抑制、目標志向型の行動が挙げられます。

 

誠実的な人は整理整頓ができ、とても細かいところにまで気を配る傾向があります。

 

彼らは前もって計画を立て、自分の行動が他人にどのような影響を与えるかまで考え、期限にも気を配ります。

 

kruchoro.com

 

誠実性が高い人の特徴

 

  • 準備に時間をかける
  • 重要な仕事はすぐに終わらせる
  • 細部にまで気を配る
  • 決められたスケジュールを楽しむ

 

誠実性が低い人の特徴

 

  • 仕組みやスケジュールを嫌う
  • 物を散らかしたり丁寧に扱わなかったりする
  • 物を返さなかったり元の場所に戻さなかったりする
  • 重要な仕事を先延ばしにする
  • 必要な仕事や与えられた仕事を終わらせることができない

 

外向性とは?

 

外向性には、興奮しやすい、社交的である、おしゃべり、自己主張が多い、感情表現が多いといった特徴があります。

 

外向性が高い人は、社交的な性格で、社会的な状況でエネルギーを得られる傾向があります。

 

外向性が低い人、または内向的な人は、控えめな性格で、社会的な場面でエネルギーを使い切って疲れてしまう傾向があります。

 

社会的なイベントではエネルギーを多く消費してしまうので、内向的な人はエネルギーを再充電するために孤独で静かな時間を必要とします。

 

kruchoro.com

 

外向性が高い人の特徴

 

  • 人の注目を浴びるのが好き
  • 会話を始めるのが好き
  • 新しい人に会うのが好き
  • 知人や友人との付き合いが広い
  • 人と一緒にいると元気になる
  • 考える前に発言する傾向がある

 

外向性が低い人の特徴

 

  • 一人でいるのが好き
  • 人付き合いが多いと疲れてしまう
  • 会話を始めるのが難しいと感じる
  • 世間話をするのが好きではない
  • 話す前に慎重に物事を考える
  • 人の注目を浴びるのが嫌い

 

協調性とは?

 

この性格特性には、信頼、利他主義、優しさ、愛情、その他の向社会的行動などの属性が含まれます。

 

協調性が高い人は協力的な性格ですが、協調性の低い人は競争心が強く、時には人を操る傾向があります。

 

kruchoro.com

 

協調性が高い人の特徴

 

  • 他の人に大きな関心を持っている
  • 他人に気を使う
  • 他の人に共感し関心を持つ
  • 人を助け、人の幸せに貢献することを楽しむ
  • 助けを必要としている人を助けることができる

 

協調性が低い人の特徴

 

  • 他人にはほとんど関心がない
  • 他の人がどう感じるかに関心がない
  • 他人の問題にほとんど関心がない
  • 他人を侮辱したり軽蔑したりすることができる
  • 自分の欲しいものを得るために他人を操ることがある

 

神経症的傾向とは?

 

この性格特性は、悲しみ、不機嫌、情緒不安定を特徴として持っています。

 

神経症的傾向が高い人は、気分の変動にムラがあり、不安、イライラ、悲しみを頻繁に経験する傾向があります。

 

この傾向が低い人は、精神が安定していて感情的な回復力も高い傾向があります。

 

kruchoro.com

 

神経症的傾向が高い人の特徴

 

  • 多くのストレスを経験する
  • 色々なことが気になる
  • すぐに動揺する
  • 気分の変化が激しい
  • 不安を感じやすい
  • ストレスを感じたあと立ち直るのにも時間がかかる

 

神経症的傾向が低い人の特徴

 

  • 情緒が安定している
  • ストレスにうまく対処できる
  • 悲しんだり落ち込んだりすることはほとんどない
  • 不安や心配をすることもほとんどない
  • 気持ちがとてもリラックスしている

 

といった感じです。最近の心理学の研究解説では、ビッグファイブ性格特性に関する言葉が頻繁に出てくるので、まずはそれぞれの特徴を理解しておきましょう。

 

kruchoro.com

 

参考論文

 

Poropat AE. A meta-analysis of the five-factor model of personality and academic performance. Psychol Bull. 2009 Mar;135(2):322-38. doi: 10.1037/a0014996. PMID: 19254083.

https://doi.org/10.1037/a0014996

Jang KL, Livesley WJ, Vernon PA. Heritability of the big five personality dimensions and their facets: a twin study. J Pers. 1996 Sep;64(3):577-91. doi: 10.1111/j.1467-6494.1996.tb00522.x. PMID: 8776880.

https://doi.org/10.1111/j.1467-6494.1996.tb00522.x

Roccas, Sonia, Lilach Sagiv, Shalom H. Schwartz and Ariel Knafo. “The Big Five Personality Factors and Personal Values.” Personality and Social Psychology Bulletin 28 (2002): 789 – 801.

https://doi.org/10.1177%2F0146167202289008

De Bolle M, Beyers W, De Clercq B, De Fruyt F. General personality and psychopathology in referred and nonreferred children and adolescents: an investigation of continuity, pathoplasty, and complication models. J Abnorm Psychol. 2012 Nov;121(4):958-70. doi: 10.1037/a0027742. Epub 2012 Mar 26. PMID: 22448741.

https://doi.org/10.1037/a0027742

タイトルとURLをコピーしました