モテる髪色
最近はKPOPの影響もあり、様々な髪色に染めることが流行っていますが、それは実際に効果があるのでしょうか?もしくは、異性にモテやすくなる髪の色はあるのでしょうか?
実は金髪にすると異性からモテるようになる!という研究があります。
南ブルターニュ大学社会学部のニコラス・ゲガン博士の研究では、金髪の女性は、地毛ではなくかつらのときでさえ、ブルネット(黒髪)や赤毛の女性と比較して、ナイトクラブでより多くの注目を集め、男性からモテることがわかっているのです。
金髪の女性はほかの髪色よりもモテやすい
2012年におこなわれたこの研究では、金髪、茶髪、黒髪、赤色のウィッグを着用した男女がナイトクラブで座っているところを観察し、どれだけ異性に声を掛けられるかを調べました。
その結果、金髪の女性の方が男性から誘われる頻度が高くなることがわかったのです。
金髪がモテやすい!というのも面白いですが、かつらでもモテる効果が生まれるのも興味深いですね。
男性が金髪になっても効果なし
一方で、金髪の男性は女性から誘いを受ける頻度が高くはなりませんでした。金髪にしてモテるようになるのは女性だけの特権なのです。不思議ですね。
しかし、男女どちらの条件でも、被験者の髪が赤毛になると魅力レベルが低くなってしまいました。日本人からすると不思議ですが、赤髪は最もモテない髪色なのです。
金髪でモテるようになる心理的な理由
金髪効果(blond hair effect)が起こる理由として、進化論的なアプローチから配偶者選好が原因として考えられています。
つまり、進化論的に考えると、金髪を持つ人種は遺伝的により生存と生殖に適しているためモテやすい!ということですね。
たとえば、金髪の白人は人類の歴史を見てもここ最近で爆発的に増えてきたという説があるのですが、これも進化に適応したからとされています。かなり物議をかもしてしまうような内容ですが。
赤髪でモテなくなる心理的な理由
また、赤毛が持つマイナス効果については、その希少性と赤毛に関連するネガティブな固定観念やスティグマが原因とされています。
海外だと、昔から「赤毛はダサい!」だとか「性格が悪い!」と思われやすく差別の対象にされがちで、場所によって言ってはいけない差別用語もあったりします。
ここ最近だと、イギリスの歌手のエド・シーランが「赤毛を理由に差別を受けた」と語っていました。
政治問題や差別問題は認知的なエネルギーを多く消費します。そして脳みそが疲れてくると、私たちの思考はより閉鎖的で保守的になります。自分が普段よりも不寛容だったり差別的になってきたら、疲れているサインかもしれませんので休みましょう。
— 心理学を解説する ちょっぺ〜先生 (@kruchoro) 2021年4月15日
赤髪は差別を受けやすい
実際の調査によると、赤毛の人は白人にもかかわらず、黒人やアジア人と並んで命が狙われやすい人たちで、学校でのいじめや暴力事件に巻き込まれやすいこともわかっています。
ポジティブな金髪効果に対して、ネガティブな赤髪効果があるのです。
日本だとどちらかと言うと赤い髪色(というよりもジンジャーヘアー)はカッコいいorかわいいイメージかもしれませんが、髪色ひとつで人の態度がここまで変わってしまうものなのですね。
金髪女性が受ける差別
ちなみに、金髪にも差別はありまして、「金髪の女性は頭が悪い」というスティグマが欧米には存在しています。
そして不思議なことに、金髪男性にはこの差別はありません。
日本でも「髪を染めていない人のほうが真面目に見える!」という偏見がありますが、髪色で人のイメージが変わるのはどこの国でも同じなのでしょうね。
参考論文
Guéguen, Nicolas. (2012). Hair Color and Courtship: Blond Women Received More Courtship Solicitations and Redhead Men Received More Refusals. Psychological Studies. 57. 10.1007/s12646-012-0158-6.