【認知行動療法】適切な人間関係に必要なアサーションについて解説

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アサーションとは?

 

前回はストレスコーピングについて解説しましたが、今回は人間関係に役立つ「アサーション(アサーティブネス)」について解説していきます。

 

アサーションもしくはアサーティブネス(assertion, assertiveness)とは、自分の思っていることを他者に適切に伝えられるようになり、今よりさわやかな気持ちで生きるための方法であり、コミュニケーションスキルの一種です。

 

定義はあいまいなところもありますが、共通する内容は、「自分と相手の人権を尊重した上で、自分の意見や気持ちをその場に適切な言い方で表現する」ということです。

 

簡単に言うと、自分も我慢せず相手も不用意に傷つけない適切な自己表現方法(発言方法)がアサーションです。

 

そして、うまく自己表現できるようになるための訓練方法がアサーション・トレーニングというわけです。

 

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アサーション・トレーニングが必要な人の特徴

 

例えば、次のようなことで困っている人はアサーションスキルが低く、トレーニングが必要です。

 

  • 本音であっても、人と違う意見や気持ちが言えない
  • 自分の都合や予定があるのに、人からの誘いやお願いを断れない
  • 人にお願いをするのは気が引けてしまう、頼みごとができない
  • 知人とけんかをして関係が途絶えてしまった
  • 自分の意見を押し通してしまい、あとで後悔する

 

どうでしょうか?どれも大事なコミュニケーションですが、「頼みごとができない」「誘いを断れない」など、よく聞く悩みもありますね。

 

意外なところで言うと、「けんかをして人間関係が途絶えてしまう」のもアサーションスキルが低い証拠なのです。

 

また、「強い口調でないと本音が話せない」「感情を溜めて爆発させてしまう」「口が悪い」というのもアサーションスキルに問題を抱えている兆候の一つです。

 

「言っていることは正しいけれど言い方が悪い」と他人からよく指摘される人は、まさにアサーションスキルが低いと言えるでしょう。

 

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自己表現の3つのタイプ

 

自己表現、言い方には3つのタイプがあります。「攻撃的自己表現」「非主張的自己表現」「アサーティブな自己表現」です。

 

【攻撃的自己表現の特徴】

 

  • 自分のことばかり主張をする
  • 人のせいにする
  • 人を責める
  • 「私はOK、あなたはOKではない」という状態

 

攻撃的自己表現は、相手の権利や状況を考えず、自分の言いたいことを言いたいだけ伝えるコミュニケーション方法です。

 

【非主張的自己表現の特徴】

 

  • 引っ込み思案
  • 相手に依存的になる
  • 相手まかせにする
  • 主張をせずに黙る
  • 他人に認めて欲しいという欲求不満を抱えている
  • 「私はOKではない、あなたはOK」という状態

 

非主張的自己表現は、相手の権利や状況だけを考えて、自分の言いたいことが言えず、自分の意思や権利を自分自身で守れないコミュニケーション方法です。

 

【アサーティブな自己表現の特徴】

 

  • 正直に話す
  • 率直に話す
  • 相手に歩み寄る
  • 自分の責任で結果を決める
  • 「私もOK、あなたもOK」

 

アサーティブな自己表現は、相手の権利も自分の意思も守れるコミュニケーション方法です。相手の話を聞き、自分のことも話す、まさに理想的な人間関係の形ですね。

 

次回は「アサーティブな自己表現ができるようになるためのアサーション・トレーニング」について解説していきます。

 

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参考論文、資料

 

第7回 自分の気持ちを伝えよう(アサーション・トレーニング)

http://npsy.umin.jp/~npsy/cgi-bin/wordpress/wp-content/themes/tokyo_univ/pdf/nyumon7.pdf

Eslami AA, Rabiei L, Afzali SM, Hamidizadeh S, Masoudi R. The Effectiveness of Assertiveness Training on the Levels of Stress, Anxiety, and Depression of High School Students. Iran Red Crescent Med J. 2016 Jan 2;18(1):e21096. doi: 10.5812/ircmj.21096. PMID: 26889390; PMCID: PMC4752719.

https://doi.org/10.5812/ircmj.21096

Aschen SR. Assertion training therapy in psychiatric milieus. Arch Psychiatr Nurs. 1997 Feb;11(1):46-51. doi: 10.1016/s0883-9417(97)80049-0. PMID: 9046643.

https://doi.org/10.1016/s0883-9417(97)80049-0

Ferrell WL, Galassi JP. Assertion training and human relations training in the treatment of chronic alcoholics. Int J Addict. 1981 Jul;16(5):959-68. doi: 10.3109/10826088109038905. PMID: 7327778.

https://doi.org/10.3109/10826088109038905

Stake JE, Deville CJ, Pennell CL. The effects of assertive training on the performance self-esteem of adolescent girls. J Youth Adolesc. 1983 Oct;12(5):435-42. doi: 10.1007/BF02088725. PMID: 24306362.

https://doi.org/10.1007/bf02088725

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