【話し方】外向的な会話と内向的な会話の正しい使い方を解説

この記事は約4分で読めます。

f:id:kruchoro:20211116180638j:plain

 

 

話し方を使い分ける

 

以前に、内向的な人は具体的な話し方を好み、外向的な人は抽象的で漠然とした話し方をする傾向がある心理を解説しました。

 

これは一見すると、内向的な人の話し方のほうが優れているように思われますが、実はそれぞれに影響を与えるポイントや使いどころが異なります。

 

いつも具体的な話をしていればそれでいい、というわけではないのですね。

 

内向的な話し方と外向的な話し方という、これらの対照的な言語スタイルは聞く人に異なる解釈をされることがわかっているため、目的に合わせて使いこなす必要があるのです。

 

kruchoro.com

 

外向的な話し方が与える心理効果

 

外向性のスタイルで抽象的な言葉で記述された行動は、通常、「そのときの状況」ではなく、「その人の性格」に起因するものと考えられます。

 

これはたとえば、「あの人は愛想が悪い」や「彼は威圧的な人だ」といった説明です。

 

こうして抽象的な言葉で説明されたことは、永続的で、再び起こる可能性が高いと聞く人に解釈されますが、事実の検証は困難です。

 

たとえば、「あの人は愛想が悪いのよね」と事前に話で聞いていると、その人が愛想の悪い態度をしたときに「やっぱりそういう人なんだ」と思いやすくなるのですね。

 

内向的な話し方が与える心理効果

 

対照的に、内向的な人の言語スタイルで、より具体的な言葉で記述された行動は、状況に固有のものとして解釈され、より情報の信憑性が高いとみなされる傾向があります。

 

たとえば、「部長が部下を怒鳴った」や「彼が彼女にキスをした」といった説明です。起きた行為は事実で、そこに話し手の感情は入っていませんよね。

 

こうした内向的な人の言語スタイルは、外向的な人の言語スタイルよりも、より状況に応じた帰属(そのときの状況が主な原因で物事が起きたと考える傾向)を引き起こし、より高い信頼性の認識をもたらすことになると研究者らは述べています。

 

kruchoro.com

 

広く浅く話すか、深く狭く話すか、の違い

 

つまり、具体的な内容で話すほうが情報として信頼されやすい特徴があり、「どうしてそうなったの?」と状況のほうに注意が向けられやすいのです。

 

たしかに比べてみると、なんとなくわかりますね。「AくんがBさんを好きみたい」というと「そうなんだ」となりますが、「AくんがBさんにキスをした」と聞くと、「どういう状況で?」ですとか「二人は付き合ってるの?」という疑問を持つのが普通ですよね。

 

こうした話し方の違いから、「内向的な人同士の会話では1つのトピックをより深く話す」のに対し、「外向的な人同士の会話ではより多くのトピックを詳細が少なめに話す」という傾向があります。

 

これは過去の研究でも確認されている現象です。

 

たとえば、二人きりのときは内向的な会話のほうが適切になることが多く、人数が多い場合には外向的な会話のほうが盛り上がりやすいかもしれません。

 

 

話し方を変えることで情報の印象を変えることができる

 

同じ内容であっても抽象度の異なる会話をすることで、外向的な人と内向的な人では情報の伝え方が異なります。

 

研究者らは、これによって、情報を受け取る人の思考、記憶、その後の表現までも異なるようになると述べています。

 

というわけで、内容は同じでも抽象的な話し方と具体的な話し方でかなり印象も影響力も変わってくるようです。

 

抽象的に伝わったうわさ話がどんどん広まって内容が変わってくるのも、こうした心理現象の影響を受けているのかもしれませんね。

 

kruchoro.com

 

参考論文

 

Beukeboom, C., Tanis, M., and Vermeulen, I. (2012). The Language of Extraversion: Extraverted People Talk More Abstractly, Introverts Are More Concrete. Journal of Language and Social Psychology DOI: 10.1177/0261927X12460844

https://doi.org/10.1177%2F0261927X12460844

Thorne, A. (1987). The press of personality: A study of conversations between introverts and extraverts. Journal of Personality and Social Psychology, 53(4), 718–726. 

https://doi.org/10.1037/0022-3514.53.4.718

タイトルとURLをコピーしました