【性格を変える】甘いものを食べると、人は優しい性格になる

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甘味が人の性格を変える?

 

以前に、「甘いものが好きな人は良い性格である」という心理を解説しました。

 

ところで、この心理を性格を変えるために逆に利用することは可能なのでしょうか?

 

つまり、もしある人に甘いものを食べさせたら、その人はより好意的で親切な性格になるのでしょうか?もしくは自分で甘いものを食べたら性格は変わるのでしょうか?

 

これを調べるために行われた2つの研究では、学生たちを対象に甘いものや別の味のものなどを食べさせて、実際に性格や行動に変化が出るかどうかが観察されました。

 

すると、チョコレート(ハーシーズ・キス、またはダブ・シルキースムース・チョコレート)を与えられた学生は、酸っぱいお菓子やウォータービスケット(クラッカーやビスケットの一種)を与えられた学生と比較して、自分をより協調的な性格だと評価するようになっただけではなく、実際に援助行動が増加し、見知らぬ他人を助けるために多くの時間を割くようになりました。

 

甘いものを食べることで私たちの性格はよりよいものになるようです。

 

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甘味が優しい性格と結びつく心理的理由

 

なぜ、甘味と性格や行動にはこのような密接な関連性があるのでしょうか?

 

この研究を指導したマイヤー博士によると、その原因のひとつは食品の甘さが安全性に結び付くからです。

 

まずいものや酸っぱいもの、苦いものには毒があるという事実を私たちの体は覚えているのです。

 

また、もうひとつの理由として、原因は母乳育児にあるのではないかとマイヤー博士は考えています。

 

人間の母乳は味も化学成分も甘く感じるもので構成されており、授乳時のエピソードと記憶のイメージは母と子の密接な関係と結びつきます。

 

この時の経験の記憶は大人になってからも私たちの残り、甘い味のする食べ物を摂取することによって、愛着に関する感情の基礎的な部分がふたたび呼び起こされるのです。

 

さらには、もう少し成長して、幼少期になったころにも、バースデーケーキやお菓子パーティーなど、子どもの祝い事や楽しいイベントには甘い食べ物がつきものです。

 

甘さが優しさと結びつくのは、これら幼少期の経験が理由になっているのではないか、というのですね。

 

辛い食べ物が好きな人は厳しい人なのか?

 

心理学者たちは、ほかの味覚と性格の間にも同じような関係がある可能性として、今後の研究が必要だと付け加えています。

 

たとえば、辛い食べ物が好きな人は、実際にスパイシーな性格をしていて、辛口のコメントをよく述べる傾向があるのかもしれません。

 

また、英語以外の言語でも同様の関連性があるかどうかを調べる必要があるとしてます。

 

たとえば、日本語ですと、恋人や好きな人を甘い言葉で表現する文化はないですから、日本人にもこの心理が当てはまるのかどうかは実際に調べてみないとわかりません(甘いセリフや評価をするときに甘口・辛口という言葉はありますが)。

 

 

甘い食べ物を贈るのは助けてほしいから?

 

また、私たちが甘い食べものを誰かにプレゼントするという行為にも、単なる贈り物以上の別の可能性の存在が考えられるようになります。

 

たとえば、あなたのパートナーがチョコレートをくれたのは、あなたに甘いものを味わってもらうためではなく、実際はあなたに何かの協力や援助をしてもらうことを求めていて、一時でもあなたの性格をより協調的なものにさせたいからなのかもしれません。

 

あるいは、甘いものが苦手だと公言することは、「私は協調的な性格の人ではない」もしくは「あなたと仲良くするつもりはない」と主張することにつながるかもしれません。たとえば、協調性の低さは浮気のしやすさと関連があります。

 

しかし、いずれもまだ可能性の段階で本当のところはまだわかっていませんので、追加の研究が望まれますね。

 

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参考論文

 

Meier, B., Moeller, S., Riemer-Peltz, M., and Robinson, M. (2011). Sweet taste preferences and experiences predict prosocial inferences, personalities, and behaviors. Journal of Personality and Social Psychology DOI: 10.1037/a0025253

https://doi.org/10.1037/a0025253

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