話し方で変わる人物の印象
話し方ひとつで人の印象は変わります。
たとえば、心理学の研究によると、優秀な人物と優しそうな人物では、それぞれ話し方が違うものなのだと私たちは考えていることが判明しています。
ブリガムヤング大学のブルース・L・スミス、ブルース・L・ブラウン、ウィリアム・J・ストロング、アルバン・C・レンチャー博士らによって1975年におこなわれた古典的な研究では、より早口で話す人は有能な人物だと評価される!という結果が出ています。
早口は有能な印象を与える
この実験では合成音声をコンピュータで作成して被験者に聞かせたところ、早口で話すように加工された音声を聞いた人は、話し手のことを有能な人物だと評価しました。
作成された音声を50%ずつ増加・減少させて聞いてもらったあとで、話し手が「どれだけ有能か」「どれだけ優しいか」を評価してもらいました。
すると、有能さにかかわる評価は会話速度が上がるにつれて増加し、速度が下がるにつれて減少するという線形的な傾向が見られたのです。
早口で話す人ほど優秀な人物だと思われやすく、ゆっくりで話すほど無能な人物だと思われやすくなる心理があるのですね。
意外と忘れがちな、好きな人にモテるための4つの話し方ポイントというのがあって、
1意味もなく話題を突然変えない
2相手の話を遮って中断させない
3安易な表現で相手を適当に元気付けない
4相手の話にプレッシャーをかけないというのを守るだけでも相手は一緒にいるのを楽しんでくれる。
— 心理学を解説する ちょっぺ〜先生 (@kruchoro) 2020年7月25日
一般的な速度は優しさの印象を与える
一方で、優しさは、発話速度と逆U字型の関係を示し、通常の発話速度で最も高い評価を得ました。
つまり、早口で話してもゆっくりと話しても、優しさの評価は下がってしまうということです。
ゆっくり話せばより優しい印象を持たれるように思えますが、実際には普通の速度で話すのが一番良いのですね。
つまり、プレゼンのときとデートのときでは、より効果的な話し方が違うのです。そのとき相手にどんな印象を持たせたいかで、話す速度を変えてみてください。
参考論文
Smith BL, Brown BL, Strong WJ, Rencher AC. Effects of speech rate on personality perception. Lang Speech. 1975 Apr-Jun;18(2):145-52. doi: 10.1177/002383097501800203. PMID: 1195957.