まじ?恋人に好きになった理由を聞いても無駄!人は恋した理由が自分でもわからない

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自分の好みの理由がわからない

 

2005年におこなわれたルンド大学認知科学部のペッター・ヨハンソン博士の心理実験によると、私たちは人を好きになる理由を自分で知覚できないことがわかっています。

 

この実験では、男性の被験者を対象に別々の女性が映っている2枚の写真を見せ、より魅力的だと思うほうを選んでもらうというものでした。

 

そして被験者が写真を選択した後でトランプ手品の技を使って、選んだ写真をもう一方の別の写真とすり替えてから、その写真を選んだ理由を聞いたのです。

 

そんな小細工をしてもすぐに気づいてしまいそうに思えます。そもそも自分が好きで選んだ女性の写真なのですから。

 

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好きになった理由をでっちあげる

 

しかし、実際に写真を近くで見せられても、それが自分の選んだ写真と違うことに気付いた人はほとんどいませんでした。

 

そして、男性たちはあたかも最初からそれが気に入っていたかのように、その写真を選んだ理由を述べました。とても不思議ですね。

 

私たちはすり替えに気づかないどころか、自分の選択を正当化するためにその人を好きになった理由さえも勝手にでっちあげてしまうのです。

 

服装や髪形が違っても気づかない

 

さらに条件を緩和して、写真の選択に時間制限がなく、髪の色や髪型やアクセサリーが全く異なる2つの写真を使っても、写真のすり替えに気づいたのは3分の1しかいませんでした。

 

たとえば、イヤリングを付けていない女性が映っている写真を選んだあとで、イヤリングを付けた別の女性の写真を見せると、「彼女のこのイヤリングが気に入ったんだ」と答えた被験者さえいました。

 

この例ではまさに好きになった理由をでっちあげていますね。もちろん、本人は本当にそのイヤリングが気に入って写真を選んだと思い込んでいます。

 

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恋した理由は自覚できない

 

この現象は、最初に目で見たときには好みのポイントや惹かれた理由があるのかもしれませんが、そのあとで心がその魅力について覚えているとは限らないということを表しています。

 

というよりも、ほとんどの人は恋に落ちた理由をすぐに忘れてしまいます。そうして気づかぬうちに惹かれていくのでしょう。

 

つまり、私たちは好きになった理由がわからないどころか、「自分の好みの相手すらも本当にはわかっていない!」ということを示しています。衝撃的ですね。

 

もしかすると、実際には相手に好意を抱いていなくとも、「あの人のこと好きでしょう?」と言われたことをきっかけに意識し始めて好きになってしまうこともあるかもしれません。

 

人を好きになったと誤解したあとで、さも現実的にありそうな正当な理由を付け加えているのです。

 

 

選択盲の心理とは?

 

このように、個人の意思決定において、意図と結果の違いを検出できないという現象は、「選択盲(choice blindness)」と呼ばれます。

 

当初の目的とは実際には違う結果になったとしても、「自分はこれを望んでいたんだ!」と私たちは思い込んでしまうものなのです。

 

もちろん、だからと言って、幸せな気持ちが消えるわけでも好きな気持ちが消えるわけではありません。

 

なんだか複雑な心理の話ですが、自分がいま満足しているのならそれでいいのかもしれませんね。

 

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参考論文

 

Johansson P, Hall L, Sikström S, Olsson A. Failure to detect mismatches between intention and outcome in a simple decision task. Science. 2005 Oct 7;310(5745):116-9. doi: 10.1126/science.1111709. PMID: 16210542.

https://doi.org/10.1126/science.1111709

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