「愛している」よりも強力なキスの心理
恋人や好きな人とのつながりを深めるのに最適な方法のひとつは、キスをすることです。
キスはありふれた愛情表現だと思われがちですが、それが人間関係にもたらす心理的な効果は、多くの人たちが思っている以上に強力です。
考えてみますと、まだ若い人たちはキスの立ち位置を大人よりもっと重要なところにおいています。たとえば、中高生くらいの年齢の若者にとってキスをするということはかなり大事ですよね。
これは、経験が少ないからという理由もありますが、原始時代のころから人間にとってキスをすることはそれくらい大きな意味のあることだったからです。
キスはある意味で、自分の好意を相手に伝え、相手の好意を感じ取るのに役立つ、もっともわかりやすくて強力な言語なのです。
それは言葉で「愛している」と言うよりも、多くの情報を伝えあいます。
キスは健康にも良い
さらに、キスは私たちの体の健康にも良いことがわかっています。
キスをすることで、脳内ホルモンであるセロトニン、オキシトシン、エンドルフィン、ドーパミンなどが分泌されるようになり、私たちは愛情や幸せをつよく感じるようになります。
さらには、血圧を下げたりストレスレベルを低下させるほか、カロリーを消費させたり、アレルギー症状を減らし免疫力を高める効果まであります。
さらには、カップルのキスは虫歯の予防にも役立ちます。
これは、キスをするときに口の中の唾液の分泌量が増えるからです。あまり知られていないかもしれませんが、口の中の唾液は私たちの歯を虫歯菌から守ってくれています。
カップルのキスにかけるべき最低限の時間
では、これまで挙げてきた効果を得るためには、どのくらいの時間をかけて私たちはキスをする必要があるのでしょうか?
結婚や恋愛など人間関係の権威であるジョン・ゴットマン博士によると、人がロマンティックなキスと感じるためには、一度のキスに最低でも6秒の時間をかける必要があります。
ただ相手の唇を軽くつついたり触れるだけのキスではなく、6秒間しっかりと愛情を確かめ交換しあうキスをする必要があるのです。
「男女が親密になるための12段階」
1相手の姿を見る
2アイコンタクトする
3会話をする
4握手、手をつなぐ
5肩組み、肩に触れる
6腕を腰に回す、腰を抱く
7キスをする
8頭をなでる
9手で体に触れて前戯を始める
10口で胸に触れて前戯
11手で性器に触れて挿入を伴わないセックス
12セックス— 心理学を解説する ちょっぺ〜先生 (@kruchoro) 2020年11月19日
キスをするタイミング
また、多くのカップルは仲の良いときにキスをして、意見が対立したときなどにはキスを避けがちになってしまいますが、これではキスの効果を十分に発揮できていません。
カップルはお互いにストレスを感じているときにこそキスをすることで、混乱した状態の関係性を改善することができます。
そして、仲直りをするのにかかる時間は、先ほども言った通りたったの6秒です。
ほんの数秒で二人の愛情レベルが脳内で再調整され、ストレスフルな対立もやわらいでいきます。キスをしないカップルより、キスをするカップルのほうが良好な関係が長続きするのです。
というわけで、日ごろの愛情を確認するキス、対立をしたときのキスなど、カップルはキスを効果的に使って仲良くしていきましょう。
参考論文
Lupis, S.B., Sabik, N.J. & Wolf, J.M. Role of shame and body esteem in cortisol stress responses. J Behav Med 39, 262–275 (2016).
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Wlodarski R, Dunbar RI. Examining the possible functions of kissing in romantic relationships. Arch Sex Behav. 2013 Nov;42(8):1415-23. doi: 10.1007/s10508-013-0190-1. Epub 2013 Oct 11. PMID: 24114390; PMCID: PMC4487821.
https://doi.org/10.1007/s10508-013-0190-1
Oxytocin and long-term pair bonds Dirk Scheele, Andrea Wille, Keith M. Kendrick, Birgit Stoffel-Wagner, Benjamin Becker, Onur Güntürkün, Wolfgang Maier, René Hurlemann Proceedings of the National Academy of Sciences Dec 2013, 110 (50) 20308-20313; DOI: 10.1073/pnas.1314190110
https://doi.org/10.1073/pnas.1314190110
Esch T, Stefano GB. The Neurobiology of Love. Neuro Endocrinol Lett. 2005 Jun;26(3):175-92. PMID: 15990719.
https://www.researchgate.net/publication/7752806_The_Neurobiology_of_Love