彼氏・彼女持ちには余裕がある
恋人や配偶者がいたり、あるいは多くの異性にモテる人ほど心に余裕ができて異性を前にしても焦らなくなると言いますが、実際にこの現象は心理実験で確認されています。
2008年に行われたフロリダ州立大学心理学部のジョン・K・マナー、マシュー・T・ガリオット、ソール・L・ミラー博士らの研究によると、恋人ができた人は独身者と比べて、ほかの異性に目移りしにくくなる心理があることがわかったのです。
大人の余裕がある人は、単に異性に慣れているというだけではなく、異性に対して過剰な注意を払いにくくなっているのです。
恋人のある・なしで異性への興味を調べた実験
この実験では、120名の男女を対象に、コンピューターを使った認知テストを行っている最中に、モニターの一部に魅力的な異性の写真を0.5秒間登場させて、どの程度作業に支障が出るのかを調べました。
すると、恋人がいる人たちは独身の人たちと比べて、より早く、また正確に作業することができました。
彼らは魅力的な異性に注意が奪われることなく、自分の仕事に集中することができたのです。
一方で、独身者の人たちは魅力的な異性が画面にあらわれると、集中力が下がってしまいました。独身の人は魅力的な異性により惹かれやすいのです。
「モテる人は余裕がある」と言いますが、実際に恋人ができるとほかの異性が気にならなくなる心理現象が起きます。これは無意識に行われますので、異性の前で意識して余裕を持つことは難しいです。恋人や配偶者がいる人ほど異性にモテやすいのは、こういった心理も関係しているのでしょう。
— 心理学を解説する ちょっぺ〜先生 (@kruchoro) 2022年1月11日
無意識のうちに異性への興味が薄れる
また、この行動は無意識的に行われてました。つまり、私たちは恋人ができると無意識にほかの異性のことが気にならなくなるのです。
このような心理がある理由は、長期的な恋愛関係をつくるためには、ほかの異性に自分や相手がなびかないように注意する必要もあるからです。
恋愛にはカップル同士の親密さも必要ですが、同時にほかの異性の誘惑から守るための浮気対策も重要なのです。
そこで、私たちは恋人ができると、自然と浮気することから遠ざかる防衛本能のような恋愛心理が働くように進化してきたのですね。
まぁ一方で、その本能が一部の恋人がいる人たちの魅力を高めるという皮肉なことにもなっているのですが。
参考論文
Maner, JK, Gailliot, MT & Miller, SL 2009, ‘The implicit cognition of relationship maintenance: Inattention to attractive alternatives’, Journal of Experimental Social Psychology, vol. 45, no. 1, pp. 174-179.