同性にモテる人は異性にもモテる?
同性にモテる人は異性にモテたり、友達が多い人はモテる!というイメージがあります。これは本当なのでしょうか?
たしかに、友達に好かれるということはその人の性格が良いということになり、それだけ異性からも好かれやすくなるということは容易に想像できます。
しかし、実は性格うんぬんではなく、ただ友人に囲まれている状況をつくるだけでも、その人はモテるようになるのです。
他の人と一緒にいるだけで魅力が上がる
チェスター大学(イギリス)心理学部のポール・ロッドウェイ、アストリッド・シェップマン、ヨルダン・ランバート博士らが2013年に発表した研究では、ほかの人と一緒にいることで見た目の魅力がアップする!という心理現象が確認されています。
この実験では、あまり魅力的でない顔を他の魅力的でない顔と一緒に提示して評価をしてもらった場合、あまり魅力的でない顔は、それ単独で評価してもらった場合よりも魅力的なものとして評価されるようになりました。
つまり、その人単体でいるよりも、友人や同僚などのほかの人たちと一緒にいたほうがモテ度がアップしたのです。
これは俗に言う、チアリーダー効果(cheerleader effect)と呼ばれる心理現象で、私たちは一人でいるよりも複数のグループでいるほうが見た目が魅力的に見えるものなのです。
もとからモテる人には逆効果になる
しかし、この心理現象も、もともと魅力的な顔を持っている美男美女の場合には、話が少し変わってきます。
この研究では、美しい顔を持つ魅力的な人たちにもチアリーダー効果が起こるのかを実験しました。
すると、魅力的な顔の人が平均的な顔や魅力的でない顔の人たちに囲まれている写真を見せられた場合、魅力的な顔の人は、単独で評価された場合よりも魅力的ではないと判断されてしまいました。
なんと、美男美女はほかの人に囲まれることで逆にモテなくなってしまったのです。なぜでしょう?
あなたの顔は友人よりも魅力的かそうでないか
このような結果が出たのは、私たちは、“”自分より魅力的ではない人“”と一緒にいるときには、一人でいるときよりも、魅力的ではないと周りの人たちに無意識に認識されてしまうからです。
しかし、“”自分と同じか、それ以上に魅力的な人たち””であれば、その人たちと一緒にいたり写真に写ることには、あなた自身の魅力を高める効果があります。魅力のおこぼれみたいなものですね。
つまり、一緒にいる人たちの魅力のレベルによって、あなたの魅力が高くなるか低くなるかが変わるのです。
魅力的な人は、恋愛対象とならない同性や同性愛者の異性からもモテます。モテる人というのは誰からもモテるものなのです。つまり、恋愛に興味がない人でもモテ技術を磨いておいて損はない!ということです。
— 心理学を解説する ちょっぺ〜先生 (@kruchoro) 2021年5月14日
平均化の法則と中心人物効果
一緒にいる人によって魅力が上下する理由は、単体からグループになることで、その人の顔の魅力度が平均化されるからです。
なので、顔が良い人が顔の良くない人と一緒にいるという場合、この二人の間で魅力のレベルが平均化されると、顔の良い人のレベルは下がり、顔の良くない人のレベルが上がるようになるのです。
顔が良い人たちが同性の友人にもモテる裏の理由がわかった気がしますね笑。
ちなみに、この心理効果はグループの中心にいる人物ほど強く出ることがわかっているので、自分の魅力を高めたい場合にはなるべくグループの中心に位置をとるようにしましょう。
参考論文
Rodway, P., Schepman, A., & Lambert, J. (2013). The influence of position and context on facial attractiveness. Acta Psychologica, 144(3), 522–529.