和食は健康に良いことが証明された
体に良い食事の上位に長年君臨し続けているのが、「地中海式ダイエット」と「DASHダイエット」ですが、実は日本人が普通に摂っている和食もかなり健康的な食事であることがわかっています。
日本人からしたらそれはそうだろうな、という感じかもしれませんが笑。
2020年に東北大学と日本国立がん研究センターが約19年もかけて行った調査によると、伝統的な日本食は死亡率も病気リスクも下げる!ということがわかりました。
この調査は、日本の各都道府県の男女92,969人(45〜74歳)を対象に食事内容を調べ、日本食と死亡リスクとの関連をチェックしたものです。データ量も多くていい感じですね。
【大悲報】
ハーバード大学の研究によると、一度の食事で食べていいフライドポテトの量は、、、6本。
— ちょっぺ〜先生@心理学博士 (@kruchoro) 2020年8月14日
伝統的な日本食で死亡率が14%もダウン!
この研究で言われている日本食は、「ご飯、みそ汁、海藻類、漬物、緑黄色野菜、魚介類、緑茶、牛肉・豚肉」が食事のなかでどの程度の割合を占めているかで質を評価しています。
ここでは、牛肉と豚肉の摂取量が少なくて、その他の食材の摂取量が多いほど伝統的な日本食として高得点で質が高い!という判断になっています。確かに食材としてはどれも健康に良いものばかりが揃っていますね。
そして結果を分析したところ、なんと質の高い日本食を食べていた人たちは、質の低い日本食を食べていた人たちと比べて全死亡リスクが14%も低いことがわかったのです。
循環器、心疾患系のリスクも大幅に下げる!
もちろん、これは性別、地域、肥満度、喫煙習慣、飲酒習慣、職業、身体活動、投薬状況などをすべて調整したうえでの結果です。
つまり、誰に対しても日本食は死亡率を下げてくれるのです。日本人でよかったですね笑。
さらには、循環器系や心疾患系の病気の死亡リスクも11%低くなることがわかったのです。心疾患と肺炎はいずれも日本では大きな死因の一つですので、これは嬉しい報告ですね。
お茶の健康効果がすごい!
特に次の食材の摂取量が多いと、死亡リスクが全体的に下がるとのことです。
魚介類:死亡リスクが3%低下
漬物:死亡リスクが5%低下
海藻:死亡リスクが6%低下
緑黄色野菜:死亡リスクが6%低下
緑茶:死亡リスクが11%低下
といった感じで、お魚や野菜に大切さはわかりますが、意外にも緑茶の摂取量が多いと一番死亡リスクが下がりました。
野菜や魚よりも影響力が大きいのは驚きですね。日本茶すごい。そして海藻もかなり健康に貢献してくれるのですね。
お肉の量は気にしなくていい
ちなみに、ご飯、みそ汁、牛肉・豚肉は、量が多くても少なくても死亡リスクに違いは出ませんでした。これはけっこう朗報ですね。これらの食品を食べ過ぎていないかで悩んでいる方もいると思いますから。
また、がんの死亡リスクについても大きな差はありませんでした。
塩分には気をつけよう!
ただし、「日本食は塩分が高い!」とよく言われていますので、食塩の量だけをうまく調整したらかなり良い食事内容になるかと思います。
調理法さえ少し気をつければ、食材の豊富さとしてはバッチリ!という感じですね。
参考論文
Matsuyama, S., Sawada, N., Tomata, Y. et al. Association between adherence to the Japanese diet and all-cause and cause-specific mortality: the Japan Public Health Center-based Prospective Study. Eur J Nutr (2020).