【マインドフルネス】マインドフルネスの実践とトレーニング方法を解説

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人は感情によって状況の解釈が変わる

 

前回はマインドフルネスの効果が現れるプロセスについて解説しましたが、今回は「マインドフルネスを実践していく方法」について解説していきます。

 

人の時間体験(時間の感覚)は主観的なもので、そのときの感情に大きく左右される傾向があります。

 

嫌いな人と過ごす時間は長くて苦痛なのに対し、好きな人と過ごす時間は楽しいけれど短く感じるというふうなものです。

 

つまり、ネガティブなものでもポジティブなものでも、強い感情を持っていると時間の感覚が変わり、現在の状況を正確に把握できなくなってしまうのです。

 

 

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過去や未来に対する感情でも現状把握が難しくなる

 

これと同じように、過去や未来への不安や恐れがあると、現在の状況を十分に把握することができなくなります。

 

明日のことが不安だと、今見ているテレビ番組や食べている食事が十分に楽しめない!という感じです。大事なテスト前でそわそわしてしまうのと似ていますね。

 

自分が置かれた現在の状況を正確に把握するために重要なのは、注意の払い方を学ぶことです。そこで役立つのがマインドフルネスです。

 

ここでは、マインドフルネス状態になるトレーニングとして、マインドフルネス瞑想の解説をしていきます。

 

マインドフルネス瞑想とは?

 

マインドフルネス瞑想は、長い時間行うこともありますが、一日のちょっとしたスキマ時間にも行うことができます。

 

瞑想でマインドフルネスの状態を作るには、まず静かな場所で座って深呼吸をします。

 

一回一回の呼吸と、音、香り、温度、空気の出入りなど、その時の感覚に意識を向けます。ここは準備段階です。

 

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思考や感情を観察して受け入れる

 

ある程度落ち着いてきたら、次に、自分が経験している思考や感情に意識を移します。それぞれの思考が存在することを、良いか悪いかの判断したり、否定したりせずにただ受け入れます。

 

不安だったら「いま不安を感じている」とだけ思い、腹が立っていたら「いま腹が立っている」とだけ認識します。

 

これをする中で、場合によってはドキドキしてきて強い感情的な反応を引き起こすかもしれません。しかし、その反応を探ることは、根本的な問題に対処したり解決したりするための良い機会になります。

 

例えば、「○○のことを考えると自分はひどく動揺する」ということがわかるようになり、対策も立てることができます。

 

ネガティブな感情が浮かんでもいいと許可する

 

マインドフルネスの重要な要素である「気づき」を得るためには、自分の思考や感情を観察し、なぜそのような考えが浮かんでくるのか?(浮かんできたのか?)を探っていく必要があります。

 

現実を受け入れるための受容性を高めるためには、頭の中に浮かんでくるものが不快な考えであっても「こんなことを考えてはだめだ」というふうに判断したり、無理に押し殺したりしないようにします。

 

ネガティブなものであっても感情は自然なもので、誰もが持っているものです。それを認めることで、自分自身をよりよく理解し、思いやりを持ち、前に進むことができます。

 

スキマ時間にマインドフルネスを実践してみる

 

マインドフルネスは、一日の中で今この瞬間に身を置くことを助け、悩みや不安からあなたを守ってくれます。

 

マインドフルネストレーニングはまとまった時間が用意できなくても実践できます。

 

例えば、朝起きたら、呼吸に意識を向けて、体がだんだんと元気になって目覚めていく様子を観察してみましょう。

 

仕事をしているときには、昼休みに簡単で短い瞑想をしたり、食事のときには食べることだけに集中したり、良いことがあったら素直に感謝するなど、「この瞬間を感じる」にはさまざまな方法がありますので試してみてください。

 

マインドフルネス(の能力)は、瞑想に限らず、散歩や会話などのあらゆる活動の中で培うことができるのです。

 

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参考論文、資料

 

サーチ・インサイド・ユアセルフ ― 仕事と人生を飛躍させるグーグルのマインドフルネス実践法 Kindle版 チャディー・メン・タン (著)

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マインドフルネス・ストレス低減法ワークブック ボブ・スタール (著), エリシャ・ゴールドステイン (著), 家接 哲次 (翻訳)

https://amzn.to/3jy1dgA

マインドフルネスストレス低減法 ジョン・カバットジン (著), 春木 豊 (翻訳)

https://amzn.to/3p4eCOe

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