年を取ると性格は変わる
かつては、「人の性格は30歳までに固定的になる」と信じられていました。日本でも「三つ子の魂百まで」という言葉がありますね。
しかし、最近の研究によると、必ずしもすべての性格特性が固定されているのではなく、人の性格は時間の経過とともに変化していくことがわかっています。
特に大人になるにつれて、性格は良い方向に変化する傾向があります。
成人すると性格が良くなる
2008年のイリノイ大学アーバナシャンペーン校心理学部のブレント・W・ロバーツ、パデュー大学のダニエル・ムロッツェク博士らの論文によると、年齢とともに、人々はより自信に満ち、温かく、責任感が強く、穏やかな性格になっていくことがわかっています。
これらの変化は、特に若年成人期(20〜40歳)のときで優勢であることもわかっています。
つまり、思春期を越えて成人になってから、私たちの性格はより良い方向へ変わる傾向があるのです。20〜40歳の働き盛りにあたるこの時期は、性格が急激に変わってもおかしくありません。
「学生の頃に不良だった人が、大人になってから良い人になる」というパターンがありますが、まさにそんな感じですね。
中高年になっても性格は変わる
さらに、性格特性の平均レベルの変化は中高年になっても発生し続け、性格特性はどの年齢においても変化する可能性があることを示しています。
性格の変化は、私たちのライフスパンを通して、すべての段階で発達していくのです。
「年を取って丸くなる」とも言いますが、実際に性格の変化は中高年になっても起こるのですね。
年齢によって栄養素を吸収できる量も変わります。年齢が60歳を超えたくらいからタンパク質の処理能力が下がることがわかっているので、年を取るほどタンパク質を多めに補給することが大切になってきます。なので、高齢者にもプロテインはおすすめです。
— 心理学を解説する ちょっぺ〜先生 (@kruchoro) 2020年9月6日
外向性以外の性格は変化し続ける
また、2011年のコルビー大学(アメリカ)心理学部のクリストファー・J・ソト博士の研究では、120万人以上(1,267,218人)のオンライン性格診断テストの結果を調査したところ、最も劇的な性格の変化は思春期や青年期までに起こっていましたが、誠実性、開放性、協調性は成人期を通じて徐々に増加する傾向があり、外向性はおおむね横ばいで、神経症的傾向はわずかに減少することを発見しました。
というわけで、外向性以外の性格特性(誠実性、開放性、協調性、神経症的傾向)は生涯変化し続ける、それも良い方向へ変わり続ける傾向があると考えて良さそうです。
参考論文
Roberts, Brent W., and Daniel Mroczek. “Personality Trait Change in Adulthood.” Current Directions in Psychological Science, vol. 17, no. 1, Feb. 2008, pp. 31–35, doi:10.1111/j.1467-8721.2008.00543.x.
https://doi.org/10.1111/j.1467-8721.2008.00543.x
Soto CJ, John OP, Gosling SD, Potter J. Age differences in personality traits from 10 to 65: Big Five domains and facets in a large cross-sectional sample. J Pers Soc Psychol. 2011 Feb;100(2):330-48. doi: 10.1037/a0021717. PMID: 21171787.