やるべきことをやる人になるために
今回は意志力(やる気)の心理学についての話をします。
以前の話で、スタンフォード大学の神経生理学者であるロバート サポルスキー教授は、前頭前皮質の役割は私たちにやるべきことを仕向けることなのだと話しました。
つまりこの脳の部位を鍛えることで、私たちは苦手なことを克服したり得意なことをさらに伸ばすことができるようになるのです。今回はその前頭前皮質(脳みそ)の鍛え方について話していきます。
前頭前皮質の鍛え方はいくつかあるのですが、今回紹介するのは一番有名なものであり、おすすめのトレーニング方法です。
その方法は、瞑想(マインドフルネス瞑想、呼吸法、または座禅)をすることです。まず最初にその効果のほどを心理学の研究を紹介しながら説明していきます。
瞑想をすると脳みそが成長する
最近流行りのマインドフルネス瞑想ですが、すでに研究では、瞑想の練習を3時間行っただけでも注意力と自制心が向上したという結果が出ています。
瞑想が有名な意志力の向上方法となっているのは、こういった研究結果が理由になっています。
また別の研究では、8週間の瞑想トレーニングを続けた結果、脳の灰白質という部分(前頭前皮質を形作っている部位)が大きくなり、自己認識(セルフモニタリング)の能力が向上しました。
トレーニングを積むことで人間性も向上する
つまり、瞑想自体が上手くなくても、また練習でもいいので瞑想トレーニングを続けることで自然と頭が良くなっていくという素敵なシステムが私たちには備わっているわけです。
しかも単に頭が良くなっていくだけではなく、注意力や自制心が向上するので我慢強く誠実な性格になっていき、人としてのレベルも上がっていき絵に描いた素敵な人にもなれるのです。
瞑想は私たちが生きるために必要な能力を底上げしてくれるですね。
呼吸法で感情をコントロールする
マインドフルネス瞑想にはいくつかやり方があるのですが、今回紹介するのは簡単な呼吸法です。
呼吸法で有名なものは深呼吸と、「ヒッヒッフー」と息を吸ったり吐いたりするラマーズ法ですが、このラマーズ法は日常でも使える万能的な呼吸法です。
たとえば、感情的になっているときや、頭がパニックになっているときにこの呼吸法をすると心が落ち着きます。
呼吸法で心がコントロールできる理由
慌てているときに私たちはよく「深呼吸しよう」と言われていますが、多くの人は深呼吸をするときにゆっくり息を吸うことばかりに気がいってしまいがちです。
しかし、実は深呼吸で大切なのはゆっくりと息を吐くことです。
なぜなら私たちは息を吸うときには交感神経という、イメージで言うとピリピリした状態になるのに対し、息を吐くときには副交感神経という、イメージで言うとふわふわした状態になるからです。
つまり、リラックスするためには息をゆっくり吐く必要があるのです。
というわけで瞑想をするときにも、心を穏やかにするために、ラマーズ法のように吸う息よりも吐く息により長い時間を与えてあげると集中しやすいです。また「ヒッヒッフー」という呼吸法はみんな知っていますので、ラマーズ法をイメージするとわかりやすいですからね。
瞑想をすると集中力がつくだけでなくネガティブな感情にも強くなり、怒りや不安といった感情に心が支配されにくくなります🙆♀️💡
▶️負の感情に振り回されていたり冷静になるのが苦手な人は、瞑想を習慣づけて感情のコントロール能力を高めると良いです💪✨
おはようございます🙇♂️
— 心理学を解説する ちょっぺ〜先生 (@kruchoro) 2019年3月30日
呼吸法をするときの時間の目安とコツ
呼吸法をするときの数字の目安を言っておくと、5秒かけて息を吸って10秒(もしくはそれ以上)かけて息を吐くという具合です。
先ほどは吐く息が長い方が副交感神経を活発にしやすいのでおすすめと言いましたが、実際に初めて瞑想(呼吸法)をやるときは同じ時間に設定した方がやりやすいかもしれません。
やりづらい人は「なんとなく気持ち吐く息の方が長いかなー」くらいの適当さ加減でやるのがおすすめです笑。
ちなみに目はつぶっていた方が良いと言われることが多いのですが、大差はないので開けていてもいいです。
また、できるだけ背筋を伸ばした方が良いですが、大切なのは自分が瞑想を続けられることなので最初は適当でも構いません。