失敗した理由の説明の仕方
仕事でも遊びでも何かに失敗してしまうと、ついその言い訳してしまいますよね。
本人としては失敗が起きた原因を説明しているだけでも相手にとっては言い訳に聞こえるということが多々あります。
しかし当たり前ですが、その場の空気を読むことに失敗して使いどころを間違えると、言い訳というのはとても危険な行為になります。
今回は言い訳に関する心理学の研究結果を紹介しながら、うまい言い訳の仕方について話していきます。
「説明が下手だ」と自分自身で感じている人には役立つ方法かもしれませんので、参考にしてみてください。
言い訳しても良いことは何もない?
そもそも言い訳というのは、変なことを言って笑いを取るという特殊な目的を除けば、それをしても良いことは何もないのではないか?とまで言われております。
というのも、失敗したり目的を達成できなかった理由を説明することで責任を軽くはできても、その人物の評価自体は結局下がってしまうからです。
この心理はアメリカのミズーリ大学のキャサリン リオダン博士の実験からわかったことです。
リオダン博士が、人が言い訳した時の心理状況を調べるための実験をしたところ、失敗の理由を自分で話すことで責任を減らすことはできても、他人からの評価はどうしても悪くなってしまうことが判明しました。
もちろん、どうしても「それはしょうがないよね」というような理由は存在します。そういう場合には相手の理解も得ることができ、評価も下がらないこともあります。
また、相手の心に余裕がある場合も「失敗してもかまへん、かまへん」と特に評価が下がることもないでしょう。そういうケースは今回の話では除いています。
言い訳として扱われない言い訳の仕方
しかし、例えばいくら正当な理由を挙げてみても「それはあなたの実力不足でしょ!」ですとか「対策を打っていなかったからでしょ」というように責められ、責任を追及されることはよくあります。
そういう場合にどうやってうまく言い訳をするのか、というのが今回の研究のポイントです。
実は、うまい言い訳の方法というのが存在します。その方法は、第三者に説明の協力をしてもらうことです。
第三者があらわれると評価が大きく変わる
アイオワ州立大学の研究では、自分自身で言い訳すると評価が下がってしまうのに対し、友人に代わりに説明してもらうと評価が下がるどころか逆に上がり、失敗した人に対して良い印象を持つことを突き止めました。
つまり、本人による直接の弁解だと心理的に反感を買いやすいのに対し、第三者からの言葉となると、それを聞いた相手は冷静に話を聞いて分析できるようになるのですね。
なんとも不思議な現象ですが、たしかにこれは身近な人物で想像してみると共感できると思います。
例えば、友達があなたに対して何かの約束を破ったときに「いや、しょうがなかったんだよ」と本人が弁解すると反省していないように見える上に、その人が言い訳をして責任逃れをしようとしているように見えてしまうので、自然と腹が立ってしまいますよね。
しかし、そこに別の友達がやってきて「いや、実はこういうことがあってさ」と説明してもらうと、「そっか。知らないところでいろいろあったんだな」と何だか納得しそうになりませんか?
このように他者に説明してもらうことで、私たちは冷静に物事を受け止められるようになるのです。
人間関係で問題が生じたときには「私にどうしてほしい?」という質問をしましょう💡
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— 心理学博士ちょっぺ〜先生 (@kruchoro) 2019年6月2日
人を褒める時に使える心理テクニック
似たような心理効果で、これまでの功績についても人に説明する場合は自分で話すよりも第三者に説明してもらう方が良い印象を抱くというものがあります。
これは、「ウィンザー効果」と呼ばれる心理テクニックです。
例えば、自分で自分の功績を話すと「どうだ、すごいだろう?」とどうしても受け手にとっては相手が自慢しているように感じてしまいます。
しかし、これが第三者からの説明だと、「そっか。あの人はそんなにすごいのかー」と、私たちは冷静に情報を受け止めることができて相手のことを良いように評価できるようになるのです。
第三者に言い訳してもらうと良い印象を与えることができる
自身の功績の紹介も第三者からの方が効果的