人付き合いが大切な理由
あなたの周りにどんな人たちがいるかということは、自分の人生設計をする上で大切です。
例えば、周りにいる人たちがあなたの尊敬できる人たちの場合と、あなたにストレスを与えては気落ちさせてくる人たちの場合では、あなたの感じる気持ちがかなり違ってきますよね?それに合わせてあなたの行動も変わってくるはずです。
このようにどういう人たちとどう時間を過ごすかで、私たちの行動や性格は変わっていきます。
人間関係が人生の大きな基盤を作るのです。ですから自分の周りにいる人たちがどんな人たちなのかを知っておくことは大切なのです。
身近な人の考えがあなたの考えになる
さらには知っているだけでは十分ではありません。
当たり前ですが、もしも自分にとって好ましい人間関係を築けていないのであれば、現在の人間関係を自分でデザインして作り直す必要があります。身近な友達はあなた自身を映し出す鏡のような存在なのです。
あなたが一番話すのは一番身近な人たちです。当然、あなたの耳に入ってくる情報もそういう人たちの考えや趣味嗜好といったフィルターを通って入ってきます。
そうして入ってくる情報が間違っていたりあなたにとって好ましいものではなかったとしても、その影響はあなたの心にじわじわと響いてきます。
思い込みは簡単にはなくならない
実は心理学の研究から、私たちは人から言われたことで自分自身の評価を大きく変えてしまうということがわかっています。
アメリカ、スタンフォード大学のリー ロス教授は、私たちの思い込みの力がかなり強力であることを示す研究結果を発表しました。
ロス教授は数十枚の遺書を用意し、その遺書が本当に書かれものなのか、実験のために書かれた嘘のものなのか、を判別するという実験を参加者の人たちにやってもらいました。
そしてテストを終えたあとで実験参加者の人たちに成績を発表したのですが、このとき彼らには嘘の成績を教えました。
片方の参加者のグループには成績が優秀だったと伝え、もう片方のグループにはひどい成績だったと伝えたのです。
しかし、そのあとでネタバラシをして先ほどのテストも成績もこちらで操作した嘘の内容であることが実験参加者には告げられます。
面白いのはここからです。
嘘であっても信じてしまう心理
実験の内容も成績も嘘であった告げた後で、先ほどと同じ嘘の判別テストを実際に行ったら自分はどのくらい成績を残せるかを実験参加者の人たちに自己評価してもらったのです。
すると、嘘のテストで成績優秀と言われた人ほど高い成績を残せると予想し、ひどい成績だと言われた人ほどうまくはいかないと予想したのです。
つまり、私たちは自分たちの思考が思い込みであると告げられても、その嘘を信じ続けてしまう傾向があることが発見されたのです。
一度染み付いた考えや思い込みが、理屈では間違っているとわかっていても、なかなか頭の中から振り払えないのはこういう原理があるからなんですね。
他人からの評価で自己評価が決まる
また、自分の中の思い込みだけではなく、他者からの意見や評価がいかに私たちの心の中で強いバイアスとなって残ってしまうのかがわかります。
「他人の意見は気にするな!」というアドバイスが簡単に実践できない理由がここにあったのです。
私たちは、自分にとって良い情報を与えてくれる人たちが周りにいたら、それだけ努力し活躍することができるようになるのです。
しかし逆に、ダメ出しをしてきたり落ち込むようなことや暗い話ばかりをしてくる相手と付き合ってばかりいるとそういう偏った思考や感情が脳みそに刷り込まれて、気づかぬうちに徐々に私たちは不幸な状態に追いやられていくのです。
自分が何を思い、何を考えて行動するのかはもちろん大事ですが、それをするためには周りの人間関係を良質なものに構築していく必要があるのです。
ですので、自分の周りの人たちについて今一度考察して理想的な人間関係を自分なりに構築し直していきましょう。その努力はきっとあなたの人生に影響を与えるはずです。
嘘だと告げられても、優秀だと言われた人は自分が優秀だと思い込む
同じように低評価を下された人は根拠がなくても自己評価を低く見積もってしまう
人から根拠なく言われたことであってもその思い込みは簡単には振り払えない
そのために周りからの評価で自己評価が決まってしまう