やりたいことが多すぎる人の弱点は、ポジティブ思考
「自分のやりたいことがわからない」には2種類の原因があります。
1つには、やりたいことがまったく思いつかなくて悩む場合。そしてもう1つは、やりたいことが多すぎて悩む場合です。今回は主に後者の話をしますが、前者の悩みの場合でも使えるテクニックを紹介します。
やりたいことが多すぎる人というのは、好奇心が強すぎて、気持ちをうまくコントロールできていないために悩んでしまいます。
これはポジティブ思考の罠の一つで、ポジティブな人に起こりがちな問題です。
世間では勘違いされがちなのですが、ポジティブ思考って良いことばかりではないんですね。逆に言うと、ネガティブ思考も悪いことばかりではありません。
・ネガティブ志向のメリット、ネガティブのポジティブな使い方とは?
成功の想像はやる気をなくす可能性がある
よくあるのが、「自分が成功している姿を想像して、やる気を失ってしまう」という現象です。心当たりはありませんか? 僕はめちゃくちゃあります笑。
ですから自己啓発本に書かれているような「自分の成功している姿をイメージして、未来の成功を信じよう」といったことは逆に成功から遠ざかってしまう行為ですのでやめましょう。想像することでそれで満足してしまうのです。
でも結局は想像の中だけの出来事なので、そのときは満足しても「どうして行動しなかったんだろう?」と後から悔やむことになります。これがポジティブ思考の罠です。
ポジティブ-ネガティブ反応
ちなみにポジティブ思考が引き起こすネガティブな反応を表して、「ポジティブ-ネガティブ反応」と私は呼んでいます。
逆は「ネガティブ-ポジティブ反応」です。縮めて「ネガポジ反応」「ポジネガ反応」と呼んでいます。ネガネガ反応やポジポジ反応もあります。
悩みを簡略化しよう
さて、このポジティブ思考の罠問題を解決するためには、情報の整理と計画が必要になってきます。
基本的に人の悩みというのは問題を複雑に解釈してしまっているが故に問題化しています。ですので、情報を整理することで問題を単純化し、ひとつひとつ解決していくのが有効な手段となります。
これは本当にいつでもどこでも使える思考なので覚えておくと良いです。
・人は考えすぎると、失敗する確率が上がってしまうので注意という心理学研究
ポジティブ思考の罠を避ける方法
まず情報の整理ですが、ノート(orいらない紙)に自分のやりたいことのすべてを書き出します。ここで重要なのは、すべてを書き出すことです。
人によってはこれで一日潰れます。僕は半日使いましたし、今もたまに1,2時間くらいかけてやります。一回ですべてをやり終える必要はありません。ですが、一度こうして書き出しておくことでだいぶ違ってきます。騙されたと思って一回やってみてください。
また人によってはチラシの裏などのいらない紙の方が心理的に書きやすい場合がありますので、ノートでうまくいかない場合は適当な紙切れを使ってください。いつでも捨てられるという心理が、私たちの気持ちを素直にさせてくれるのです。
・メモの魔力!前田裕二のメモ術の科学的に正しいところを心理分析してみた
3つだけ選ぶ
やりたいことをすべてを書き出したら、その中から3つだけ選び、あとはすべて捨てます。悩むと思いますが、この捨てる作業が重要です。
そもそもやりたいことが多すぎる人というのは色々な物事に目が移ろい、集中力が散漫になってしまっています。ですからこの興味の範囲を意識的に限定することで、集中力を一箇所に留められるようになるのです。
諦めることで行動できるようになる
行動というのはトレードオフです。可能であれば物事を同時に進行させるに越したことはありませんが、いつでもAをしながらBができるとは限りません。
そして私たちは何かを諦めることで、本当に大事なことを諦めない覚悟ができるようになります。ですから捨てる作業というのが重要なのです。
「やらないことを決める」は「やることを決める」と同義なのです。やりたいことが多すぎて注意力が散漫になってしまっていたら、やること(やらないこと)を決めていないのだと思いましょう。そして決断していきましょう。
・自信のある人が成功する理由。自信の高さは能力の高さと比例する
計画することで行動できるようになる
しかし、それでも諦めきれないことも中にはあります。そのために計画をします。
つまり今は諦めても、後で達成させることができればいいのです。そのために計画を練り、作業に取り組む順番を決めます。
そうして計画を練って他のやりたい作業の時間を未来に分配しておくことで、目の前のやりたいことに集中することができます。これもある意味、「今はやらない」と決めて捨てる作業です。
・他人まかせをしてはいけない理由!責任転嫁はメンタルに悪影響。自己選択の心理学
行動の手順
まとめると、
「やりたいことの認識→選別→計画→実行」という流れです。これはやるべきことが見つからない場合にも使えるテクニックです。
やりたいことをやったり、やる気を出すテクニックというのはいろいろあり、またうまくいかない原因もそれだけいろいろあり、解決する術は今回紹介した方法だけではありません。
しかし一番簡易的なのが、今回紹介した「やりたいことを絞って、それ以外は捨てる」という方法です。まどろっこしいのが苦手な人ほどこの方法が効果的ですので、ぜひ試してみてください。
時間をかけて成長しよう
心の課題というのは一朝一夕でどうなるものではなく、また、ある方法が誰にとっても万能というわけでもありません。
心は様々な知識を身につけることで強化されていきますので、心理に作用する方法をたくさんしていればそれだけ心も強くなります。
・正しくない努力に気をつけて、心理学的に正しい努力を身につける方法