太鼓持ちが嫌われる理由
上司や目上の人のご機嫌を取りたがる太鼓持ちやイエスマンのようなコミニケーション方法は心理学的にはあまりオススメではありません。
何事も最初から相手の意見に従順になり、穏やかに話をまとめたがるイェスマンというのは、実はリスキーな戦略です。
相手の話すことに関して何でもかんでもイェスと答えていると、相手には、きちんと話を聞いていない適当な人だと思われたり、すぐに人の意見に流されていて自分で物事を考えられない無能な人だと思われやすくなるのです。
また男性の場合は、リードする能力がなかったり自分の意見を言えないと、女性から見ると頼りない人だと思われてしまいます。
悪い評判にもなりやすい
これが友達という間柄であればまだ大丈夫かもしれませんが、上司や部下、リーダーやその補佐役といった仕事の関係性にあると、相手の意見に賛同しすぎる行為が裏目に出ることがあります。
また、自分の意見を言わずに上司に賛同してばかりいると周りの人に「あの人は上司の意見には必ず賛同する太鼓持ちだ」と認識されるようになります。
そして、その事実が他の人たちにも知らされると、さらに評判が下がり、それだけでずる賢い人だと思われて同僚や知らない人たちからも嫌われてしまいます。
【好感度を上げるノーイェス戦略】
イェスマンというのは実は好かれません。自分の意見を持たずトップダウン式で流れてしまうと同僚からは悪い噂が広がりやすく、上司からも能力が低いとみなされやすいのです。
しかし最初にノーと言って否定してからイェスに切り替えると、この弱点がなくなります。
— ちょっぺ〜先生@心理学作家 (@kruchoro) 2018年12月2日
ちょっと言い方を変えるだけでうまくいく
このように、イェスマン戦略はうまくいかないことがあり日常的に使うのには危険な側面がかなりあるのですが、ちょっとした工夫をすることでこの戦略の弱点を補い、人に好かれるための効果的なテクニックに変えることができます。
それは「最初に否定や断りを入れてから、その後相手の意見に賛同する」という方法に変えることです。
このちょっとした変更点を加えることで、もともとの戦略にあったマイナスのイメージの部分を消し去ることができます。
こうして文章にすると実に単純な戦略なのですが、相手の提案や意見を、最初だけ断るようにするだけで、あなたが適当に話を合わせていたり権威に服従することなく、自分の頭でよく考えている人に見えるようになるのです。
最初に否定から入る、これだけで適当な人間だったり太鼓持ちの人間だと思われなくなるのですから、かなり画期的な心理テクニックだと思います。変更点は最初の1つだけなので、実行に移すのも簡単ですしね。
最初に断るNO, YES戦略
この戦略は、最初に「ノー」と言って相手の意見を否定する、あるいは弱点をついたり非難をする方が、相手の口からより詳しい話を聞けるようになるというところが重要なポイントになります。
例えば、あなたが相手の考えに対して最初に否定的な意見を述べると、相手はあなたの意見を変えようとして、 より詳しい話をあなたにしてくれるようになります。
意見を否定された相手は、自分の意見に賛同するように、一生懸命あなたを説得しようとするのです。
コツは話を聞いてあげること
人に好かれるためのコツとして、相手の話をたくさん聞いてあげるというのはこのブログでも何度でも話している心理学の重要なテクニックの1つでした。
つまり、一度相手の意見を否定することで、この「相手の話を詳しく聞いてあげる」という親切な状況が、違和感なく会話の流れの中に自然と作れるのです。
話を聞いた後で褒めてあげる
そして、相手が話を続け、追加情報を聞いてから「たしかにそれは良いアイディアだ!」「その視点はなかったなぁ!」と先ほどの反対意見を変えて提案に賛同することで、相手は自分の説得力と集中して話を聞いてもらったことに満足し、あなたへの好感度がぐっと上がります。
あなたに説得を試みている相手は少し苦労して説得することで、自分の交渉に満足し、話を理解してくれたあなたにも好感を抱きやすくなるのですね。
思わせぶりな態度を見せる
似たような心理で、恋愛の思わせぶりな態度がありますが、これも口説き落とすのに苦労した相手ほど魅力があると思いやすくなるという心理があるからです。
恋愛でもビジネスでも、高嶺の花を落とす事は、それだけで心理的な価値があるのです。
なので、デートの誘いもちょっと拒んでみたり難しそうな表情や空気を作ってから受けてあげると効果的です。
ただ、これは扱いが難しい、上級者向けのテクニックですので、そこは理解しておいてください。
もしくは、すでにかなり仲が良くなっている相手にならうまく使えますので、相手を選んで使いましょう。
相手から話を聞き出す時にも効果的!
また、このノーイェス戦略は、ただ単に相手を気持ち良くさせるだけではなく、相手からさらなる詳しい情報も聞けて話の理解がより深まるというところも良いポイントです。
つまり、面白い情報も手に入れて前よりも1つ賢くなった上に、相手からの好感度も上がって、と一石二鳥のコミュニケーション方法となるのです。
しかし、すでに何度も話題に出てきている話や提案に対して否定から入ると、「これまでの話を聞いてなかったんだ」と相手に思われて信用を失うことになってしまいますので、この点だけには注意してください。
相手が自分の意見を話したら褒めるチャンス!
おすすめなのは、あくまで革新的なアイディアや新しい提案が出てきた時に少しの疑いを持って考え、弱点をつくような意見で相手に質問することです。
例えば、相手に優しく言うのであれば、「ここのところが難しいと思うんだけど、その辺はどう対処するの?」というような感じですね。
どのみち相手の意見に賛同するのであれば、内容をより深く突き詰めて、相手をより喜ばせてあげられる形で賛同してきましょう。その方が二人にとってプラスです。
相手の意見に賛同しすぎると無能で頼りない人だと思われる
太鼓持ちを周りの人に見られると評価が下がって悪い評判も立つリスクがある
しかし、一度否定から入ることでこの弱点を克服できる
最初に否定することで相手から詳しい話を聞き出すことができる
詳しい話を聞いてから賛成することで好感度が上がりやすくなる
質問や否定をうまく使って相手を気持ち良くさせよう!