アファメーションは間違った自信のつけかた
アファメーション(自己暗示)でポジティブな自己暗示をかけると良い!というのはよくある自己啓発の話で、カウンセラーやセラピストの人もそのような本を書いています。
アメリカで有名なテレビ番組の司会者オプラ・ウィンフリー氏も自分を好きになったり自信をつける方法として勧めていたりします。
アファメーションとは、例えば、鏡に映る自分に向かって「私はできる!」ですとか「今日も素敵!」というような言葉をかけるような感じですね。たまに経営者の人でも習慣としてやっていると公言している人もいます。
しかし心理学の研究によると、実はこのアファメーションは間違った心理テクニックであることがわかっています。衝撃的な展開ですね。
自分で自分を褒めても意味がない
テキサス大学オースティン校で社会心理学や人格心理学の研究をしているウィリアム スワン教授は、自分自身に向かって何度もポジティブな暗示をかけても意味がないと言っています。
ポジティブな自己暗示をかけても意味がない理由は、私たちが持っている自尊心や自信といったものは周囲にいる人たちの評価や接し方によって変化するからです。
つまり、周りの人たちが認めてくれないと自分のことを認められないのだ、という衝撃的な話になっています。
成功者の人の言葉で「周りの評価なんか気にするな」というようなアドバイスがありますが、科学的にはあれは嘘だったのですね。
アファメーションでメンタルが悪化する
さらに、2009年に行われたエレイン ペルーノビッチ博士、ウッド リー博士らの心理研究によると、もともと自尊心が低い人たちが、「自分はできる!」ですとか「自分は愛される人間だ!」というような言葉を自分にかけると、逆にメンタルが悪化してしまうことがわかっています。
つまり、アファメーションを行うと意味がないどころか、かえってメンタルが悪化するので逆効果になるのです。
アファメーションが逆効果になってしまう心理的な理由
アファーメーションでメンタルが悪化してしまう理由は、どれだけポジティブな言葉で自己暗示をかけても、実際の自分はそうではないので、ポジティブなイメージがうまく形成されないからです。
自分に嘘をついてしまっているような感じですね。心理学的には自分に嘘をつくのは不健康なことですが、このようにポジティブな暗示であっても嘘はいけないのです。
さらに他の研究と合わせて考えてみても、自分のネガティブな面を直視しないで問題から目をそらしていることがメンタルを悪化させる原因になっているようです。
良好な人間関係を構築することが大切
ではどうすればいいのかというと、このことについて人間の性格について研究をしているスワン教授は、自尊心を高めるにはまず他人からの評価を高めるしかない、と指摘しています。意外なアドバイスですね。
博士が研究したところによると、まず最初に良い人間関係を作って、その中で他の人に認められることでしか私たちは自分を肯定できないとのことです。
どうやら自尊心を高めるための結論としては人間関係が最重要事項みたいですね。
なので、自分を認められなかったり勇気や自信が持てなくて困っているのなら、自分を褒めてくれる人たちと積極的に付き合っていくことが大切です。
人間関係は私たちのメンタルに大きな影響力を持っています。なので人間関係で問題を抱えていない人ほど自信がつくようになるのです。自信をつけたかったら家族や友達と話をしたり一緒に遊んだりして、周りの人との人間関係を良好な状態にしましょう。
— 心理学を解説する ちょっぺ〜先生 (@kruchoro) 2020年3月17日
素直な自分を受け入れてくれる集団が重要
さらには、自分が好きな分野で褒めてくれたり、自分が興味のある話に興味深く耳を傾けてくれる集団であればなお良いです。
そうやって自己肯定感を高めていったあとで、周りの人たちの期待や評価に答えるように自分を鍛えていくというのが心理学的に正しい自己肯定・自己成長の方法です。
というわけで、自信が持てなかったり自分のことが好きになれない人は、これまで付き合っていた人のせいだったのだ!と文字通り人のせいにして、自分の才能を認めてくれる人を新しく探していってください。
アファーメーションは逆効果でメンタルが悪化する肯定感や自尊心を高めるには良好な人間関係を築くしか方法はないまずは受け入れてくれる人に褒めてもらってからより高みに成長していこう