ウイルスの感染防止は手洗いが一番
コロナウイルスが猛威を振るっているので今回はウイルスを防ぐための科学的な方法を解説します。
ウイルス感染を防ぐための方法として一番効果的とされているのは、普段の手洗いを徹底することです。
手洗いによる手指の衛生管理は、病気の蔓延を防ぐための効率的で費用効果の高い方法と考えられているため、世界保健機関(WHO)と疾病管理予防センター(CDC)の両方で推奨されています。
2019年に行われたキプロス大学のクリストス ・ニコライデス博士の研究でも、ウイルスの感染拡大を防ぐためにはとにかくみんなで 徹底的に手を洗おう!という当たり前の勧告がなされています。
意外とみんな正しく手を洗っていない
研究者がこのような勧告をしているのは、常識的なアドバイスを実践してる人がかなり少ないからです。
また中でも空港はウイルスの感染リスクがかなり高いことがわかっており、特に空港を利用する人や空港で勤務している人に手洗いの徹底化を勧めています。
30%の人が手を洗っていない
2003年に米国微生物学会(ASM)の支援を受けて行われたワースリンワールドワイド社の調査では、空港を使う人の約30%は「トイレの後で実際には手を洗わない」という結果が出ています。
報告する限りだとみんな手を洗っていると自己申告しているからなのですが、実際に研究者が観察してみると約70%の人しか手を洗っていなかったのです。
しかしこれは特別なことではなく、病院にいる医療従事者であっても手を洗わないというデータまであったります。どうやら私たちは手を洗うのが苦手なようです。
50%の人も正しく手を洗えていない
さらには手を洗う人でも「50%の人は正しく洗えていない」という傾向が確認されています。かなり高い割合の人が手をきちんと洗えていないのですね。
手洗いだけでパンデミックを約70%抑えることができる
このような状況を踏まえて、ニコライデス博士の研究では世界の3,621の空港からデータを集め、その利用状況をチェックしました。そこに感染症の広がり方を表した数理モデルを作って、みんながちゃんと手を洗うとどうなるかを推計しました。
すると、手洗いを増やすことで世界的な感染症の流行(パンデミック)を24%から69%まで抑制できることがわかったのです。なかなか高い効果です。
かなり幅の広いざっくりとした推定なのですが、最低でも24%の改善率というこれだけでもかなりの効果が期待できるようです。
ウイルスが感染拡大する医学的理由
研究によると、インフルエンザ型ウイルスの世界的な伝播リスクは、ヒト間の物理的接触と個々の移動パターンにより加速されることがわかっています。
つまり、手にウイルスのついた人がそのまま移動することで、ウイルスが感染拡大するという流れです。
現在の航空輸送システムは、人間を長距離かつ高速で移動させるため、感染症の拡大に重要な役割を果たしています。
なのですが、一般的な空港は混雑した密閉空間であり、衛生状態も良くないとされているので、空港内で手洗いを徹底することがウイルスの拡大予防に役立つのです。
ウイルス感染を防ぐなら手洗いをしましょう
今回の結果は普段から手を洗うことがいかに効果的であるかを証明しています。特に空港利用者は手の衛生を綺麗な状態に保つことで、パンデミックのようなリスクは小さくなります。
というわけで、みなさん手を洗いましょう。