少しの工夫で賢く見える方法
実は科学的に「頭が良く見える方法」というものがあります。実際に頭が良くてもそうではなくても、この方法を取ることで人から見たときに「賢そう!」と思われるようになるのです。
ブランダイス大学(アメリカ)のノラ・A・マーフィー博士は2007年に、頭が良く見えるしぐさをみつけるために研究を行いました。
この実験では182人の学生たちに話し合いをしてもらい、話し合いの最中はできるだけ自分が頭が良く見える振舞いをするように指示をしました。
そして、その話し合いの様子を録画した映像を別に集まってもらった被験者たちに見てもらい、どの人が賢そうに見えるのかを評価してもらいました。
賢そうに振舞っているつもりの学生たちの中で、誰が本当に頭が良さそうに見えるか?をチェックしてもらったのです。
すると、次に挙げる行動を取る人は頭が良いと思われる傾向があったのです。
他人から見て頭が良いと思われやすい6つのしぐさ
この研究から分かった、人が賢く見えるようになるしぐさは次の6つです。
- 相手の目を見て話す
- 背筋を伸ばして座る
- 眼鏡をかける
- 相槌やジェスチャーを使う
- 楽しそうな声と表情で話す
- 聞き取りやすい声で話す
こうして見てみると、基本的には好かれやすかったり自信がある人の特徴と似ているようですね。 眼鏡をかけるのは典型的で古典的な心理テクニックですが効果があるのです。
頭が良く見せる効果がない4つのしぐさ
さらに、頭を良くするときに行いがちですが、実際には効果がなかったしぐさも見つかりました。それが次の4つです。
- 真面目な表情を浮かべる
- ジェスチャーを使わない
- 難しくて硬い表現を使う
- まわりの人より素早く行動する
というふうに、多くの人は頭を良く見せようとして、深刻そうな顔で小難しい話をしてしまう傾向があるようですが、実際には楽しそうにわかりやすく話す方が賢く見えるようです。
難しい話をするよりもきちんと相手にもわかりやすい話をするのが大切なのですね。
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賢そうに振舞うとバカがバレる
また、この実験では、賢く見せようとして努力した人ほど本当のIQが相手にわかってしまう傾向が高かったこともわかっています。頭を良く見せようと頑張るほど空振りに終わってしまうのです。
これは嘘をつくことで脳のリソースが消費されてしまい、論理的に行動できなくなってしまったからです。嘘をつくのは実はけっこうエネルギーを使うことなのです。
というわけで、人と話す際には、難しいことを言ってカッコつけようとは考えず、リラックスして会話の内容に集中した方が良さそうです。カッコつけるよりも楽しく話す方がかえって良く見えるのです。覚えておきましょう。
参考論文
Murphy, Nora A. “Appearing Smart: The Impression Management of Intelligence, Person Perception Accuracy, and Behavior in Social Interaction.” Personality and Social Psychology Bulletin, vol. 33, no. 3, Mar. 2007, pp. 325–339, doi:10.1177/0146167206294871.