マインドフルネス瞑想で間違った判断をすることがなくなる
心と体の健康に良いと評判のマインドフルネスですが、今回はマインドフルネス瞑想を行うことで冷静に物事を考えられるようになるという研究を紹介します。
これは2013年に行われたワシントン大学のアンドリュー・ハーフェンブラック博士とペンシルバニア大学のシガル・バルサード博士らの研究で、マインドフルネ瞑想がサンクコスト効果という心理バイアスを退けてくれるという内容のものです。
サンクコスト効果、サンクコストバイアスとは?
サンクコスト効果、サンクコストバイアスというのはこれまでに費やした時間やお金をもったいないと思うあまり、結果につながらない無駄な行動をし続けてしまう心理現象です。
例えば、つまらない映画を延々と見続けてしまう、脈もないのに好きな人にアプローチし続けてしまう、といったようなことですね。別名、埋没費用効果 とも言います。物を捨てたり掃除をする時にも起こりますね。
コンコルドの誤り(コンコルド効果)
有名なのはコンコルドの誤り(コンコルド効果)という話です。イギリスとフランスは共同で超音速旅客機コンコルドの開発を進めていましたが、途中で時間もお金も思っていたよりも足りない上に完成後のパフォーマンスも良くないことが発覚しました。
しかし、それまでの費やした投資額が大きかったために事業を続けて赤字を拡大させ、最終的に墜落事故まで起こしてしまうという大きな損失を被った事件です。なかなかひどい話ですね。
有名な心理現象なので、ビジネスや投資の話のときでも使われたりしますね。もちろんお金の話だけではなく、時間にも関わってくることので、なるべくなら誰しも起こしたくない間違いです。
マインドフルネスで失敗しなくなる理由
研究によると、このサンクコストバイアスによる間違った判断を、マインドフルネス瞑想を行うことで未然に防ぐことができるようになることがわかったのです。
その理由は集中にあります。人がマインドフルネスの状態になると、現在の状況に集中するようになります。その結果として、未来への不安や過去にかけたコストにこだわらなくなり、バイアスに囚われずに済むのです。
サンクコストバイアスは脳みそが勝手に下してしまう不合理な判断の一つなので、頭でわかっているだけよりもこうしたテクニックを駆使したほうが効果的です。
たった15分でいいので時間をおいて考える
一般的にマインドフルネス瞑想は8週間ほど続けないとストレス低減などの効果は出ないと言われているのですが、この実験では15分の瞑想だけでも効果があったことがわかっています。
つまり、大事な判断をするときには15分だけでもいいので瞑想をして気持ちを落ち着かせると後で後悔しないような良い判断ができるようになるということです。
というわけ、「これはこのまま続けていいのだろうか?」と悩んだときにはぜひマインドフルネス瞑想を使って正しい判断力を身に着けてみてください。
マインドフルネス瞑想のコツ
瞑想のコツは、考えや気持ちが頭に浮かんできてもそれに流されず、ただその思考や感情を観察して見送るという感じです。詳しくはほかのマインドフルネス関連の記事を読んでみてください。
Debiasing the Mind Through Meditation: Mindfulness and the Sunk-Cost Bias:https://journals.sagepub.com/doi/abs/10.1177/0956797613503853