速読を身に着けることは本当に可能なのか?
今回は「速読を教えているスクールに通って練習すれば、速読を身に着けることはできますか?」というフォロワーさんからの質問に答えていきます。
誰でも一度は身に着けたいと思う技術の一つが速読かと思います。「もっと早く文章を理解できたら」ですとか「もっとたくさんの本や雑誌を読めたら」というような願望を持っている人は少なくないと思います。私もこんなのあったら便利だと思って、速読関連の本はたくさん読みました。
結論を先に言うと、「不可能」です。どれだけ練習をしても速読は身に付きません。これからその理由を説明します。
一流の経済学者が速読を否定!
速読の原理については以前に「文字を早く読んで早く理解する魔法はない!」と解説をしましたが、今回はジョージ・メイソン大学に勤める著名な経済学者のタイラー・コーエン教授がおすすめする速読&多読方法を解説します。
コーエン教授は「インセンティブ」「エコノミストの昼ごはん」「フレーミング」などの著作で有名で、どれもけっこうおすすめの経済学書です。ただしそこそこ難しい内容&言葉が出てくるので中級者向けといった感じです。気になる人は読んでみてください。
本を早く読む方法はたった一つだけ
そんなコーエン教授の話す、経済学的に正しい速読方法は、「とにかくたくさん本を読むこと」です。やはり簡単に速読を身に着ける魔法はないようです笑。
これは以前にも解説しました、速読の原理から導き出された方法で、つまり速読とは「読まないこと」なんですね。
速読ができるようになる原理と流れ
どういうことかと言いますと、そもそも速読ができる人は「文章を読んでいない」のです。つまり一秒あたりに読んで理解できる内容が増えているわけではないのですね。
なので、速読が身につく流れは以下のようになります。
- とにかく大量の本を読んで知識を身に着ける
- これまで読んできた本のジャンルの内容に詳しくなる
- その状態で同じジャンルの本を読む
- 知っていることが書かれているので読み飛ばしが多くなる
- 自然と読書スピードが上がる
というふうな流れです。速読をしている人は別に高速で文字を吸収して理解するような高速脳内処理をしているわけではないということです。有名なものだと、写真のように文章を記憶するフォトリーディングも疑似科学であると証明されています。
というわけで、速読教室に通ったり速読が身につく本を買って練習するのはやめましょう。本は好きに読んでいたらそれでいいのですね。(質問がある人は、Twitterのリプライか、noteのコメントでお願いします。できるかぎり答えます)