自信をつけたいのなら高速で思考しよう
2013年プリンストン大学のエミリー・プロニン博士の研究によると、マニック思考(レーシング思考)と呼ばれる「高速で物事を考える思考法」をすることで、想像力と幸福度がアップすることがわかっています。
実験では数種類の短文を学生に読んでもらいました。そのときグループを2つ作って、速く読む人と遅く読む人とに分けてそれぞれ文章を読んでもらいました。
すると、ゆっくりと文章を読むように指示された学生よりも、速く読むように指示された学生のほうが、ポジティブな気持ちが増えて、創造性も高くなったのです。ものすごい心理効果ですね。
ちなみに速く読むように指示された学生は、2倍のスピードで文章を読んでいました。
高速思考で想像力が高まる理由
どうしてこのような心理効果が生まれたのかというと、その理由は読書中の気分の変化にあります。
ここでは高速で物事を考えることで、それにつられて気分が高揚して自信が高まり、さらにはポジティブな気持ちになったことで脳の抑制やプレッシャーから解放されて創造性が高まったのです。
つまり、心理の流れを追うと次のようになります。
- 高速で文章を読む
- 思考も高速になる
- 高速で頭が回転することで、つられて行動したくなる
- 気分が高まって充実感を覚える
- 充実感を覚えたことで自信が高めっていく
- 自信が高まったおかげでポジティブになる
- ポジティブになったことで創造性がアップする
ということです。以前にも解説しましたが、緊張感を解いてリラックスすることでクリエイティブな能力が高まることがわかっているので、今回はその効果を高速思考によって生み出したのですね。
高速思考のやり方
さらに研究によると、この高速思考は特に難しいことをする必要はなく、誰でもわりと簡単にできるようです。
そのやり方はとてもシンプルなもので、「目の前の文章をできるだけ早く読んで高速で考えようと頑張ってみる」というものです。
たったこれだけなので何とも子どもだましっぽいアドバイスですが、それくらい人間の脳みそは単純なのでしょう笑。
頭を高速回転させることでポジティブになることができます。具体的には意思決定や思考のスピードを上げたり、文章を読むスピード速くしてみるだけでも自信がついて創造性と行動力が上がるのです。リスクを取りやすくなるというデメリットもあるので常に有効ではないのですが、時々使ってみてください。
— 心理学を解説する ちょっぺ〜先生 (@kruchoro) 2020年4月6日
仕事の前の高速思考で効率アップ
高速で文章を読むと言うと、速読のことが頭をちらついてしまいますが、もしかすると科学的な速読法を行うことでも気分が高揚する可能性もありますね。
というわけで、せっかくの余暇を何もせずダラダラと過ごしてしまって後悔しがちな人は、一度試しに高速読書をして高速思考をしてみてください。
情報をインプットするためにおこなう普段の読書では使えないと思いますが、作業前のやる気を高める儀式的なルーティンとして行うと、作業効率がアップして良い効果が期待できます。